歯およびインプラントの動揺測定


 歯周組織,なかでも歯根膜の初期病変,すなわち微小な質的変化をとらえることは, 補綴学にとどまらず臨床歯科学において,歯根膜の機能状態の早期診断確立への アプローチとして意義あるものと考えられる。
 われわれは歯根膜機能の計量診断を目標として,歯の脈動現象を,非接触光ファイバー 変位変換器を用いて記録し,これを確率過程モデル化することによって分析し, 歯根膜機能の正常状態から異常発生の初期を客観的に見い出せるものと考え本研究に着手した。 その後更谷は,歯に貼った加速度センサで,衝撃的な力を加えたときの歯の振動を分析し, 歯周組織の診断に役立てている.以後,疋田,仲西,龍田らが,研究を続け, 岡山大学工学部の岡と共同で動揺度自動診断システムを作り上げた.ここ数年は, 簡易型の動揺度測定装置として,Tooth-mobility Tester (T-Mテスタ)を開発し, 歯だけでなくインプラントにも測定範囲を広げ,一般臨床家にも使用可能な装置として 改良を行っている.

 
 

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