舌運動

超音波診断装置

 咀嚼システムは,歯周組織,咀嚼筋,顎関節,舌,口唇,頬など多くの器官や組織が巧妙に協調して機能している。 これまで,これらに関する多くの研究がなされてきたにもかかわらず,咀嚼中の舌機能に関する十分な検討はわずかである。舌運動について,これまでエックス線テレビ,磁気センサ, fluorographyなどを用いて研究がなされてきた。しかしながら,これらの研究には放射線被曝や非生理的状態など多くの問題を残している。
 一方,これまで臓器の静態診断を目的に使用されてきた超音波診断装置は,人体に侵襲がなく,近年口腔領域においても,発音時,嚥下時,吸啜時の舌運動の検査に取り入れられてきた。 われわれ(今井敦子,川添堯彬,田中昌博,宮本 満,龍田光弘,関 良太.各種食品咀嚼時 における舌運動観察に関する超音波画像の応用.日本補綴歯科学会雑誌  40:338−346,1996)は,この超音波診断装置を使用することにより咀嚼時の舌運動を観察し,その時間的経過および各種食品間における差異の検討を行った。


 
 

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