高齢者の咀嚼筋筋活動

 加齢に伴い歯の欠損が増加する.歯の喪失に伴う歯根膜感覚の欠如は,それ自体が咀嚼機能に大きな影響を及ぼすと考えられる.しかし歯の喪失による影響の少ない高齢有歯顎者の咀嚼機能に関して,65歳以上の高齢者のみを対象とした研究はみられない.われわれ(田中誠也.高齢有歯顎者の咀嚼筋筋活動様相について.日本補綴歯科学会雑誌 44:310-322,2000)は,歯の喪失による影響を除外した咀嚼機能の加齢を,咀嚼筋筋活動様相からとらえるとともに,それに及ぼす影響因子を明らかにする目的で,正規化筋電図包絡線を用い,各種食品咀嚼時の高齢有歯顎者の筋活動パターンを,若年者ならびに高齢全部床義歯装着者との比較から検討した.





 
 

戻る