『支台歯形成について』    A4班

27番 加藤 育子   28番 加藤 尚   29番 金下 祐己  30番 川口 勝治   31番 亀水 忠宗  32番 久島 和彦  33番 国本 絢子   34番 窪田 則彦

 クラウン・ブリッジによる補綴処置の必要な歯は支台歯形成を行わなければならない。歯は前歯・臼歯にかかわらず歯頸部に向かい狭窄した形態になっている。テーパーがあまりにも小さいと好ましくないアンダーカットを生ずる可能性があり、逆にテーパーが大きすぎると維持力がなくなる。そのため、色々な支台装置に合致するように、支台歯形成面形態を削除して整える必要がある。この一連の操作を支台歯形成(preparation of tooth)と言う。この支台歯形成は支台装置の種類によって異なるが、患者さんの口腔内の状態を様々な診査(X線写真・診断用模型)によって知ることによって、最小限の歯質削除ですむように行うことが最も大切である。というのは有髄歯に対して不注意に支台歯形成を行うと様々な不快症状が起こるからである。臨床的不快症状として@自発痛A咬合痛B咬合時の違和感C知覚過敏(冷水・温水)D打診時の不快感などが挙げられる。これらの原因は支台歯形成のために生活歯の象牙質を外科的に切除することにより引き起こされた歯髄の反応性炎症によるものである。このようにクラウン・ブリッジにおける歯質削除は保存修復のような内側性の窩洞形成に比較して、外側性の支台歯形成であるため歯質の削除量が多くなり、歯髄に対して与える影響が大きい。したがって歯髄保護(注水)を十分に行うことが重要である。
 支台歯形成における支台歯形態については、保持・抵抗・予防・便宜・審美形態など必要な諸因子を考慮したうえで@歯質の十分な抵抗力とCrの保持A形成面を十分に被覆B適切な辺縁形態C切削量、歯髄・歯周組織への刺激を最小限にD支台築造による形態の修正E固定性ブリッジにおける支台歯間の平行性に注意しなければならない。そして、支台歯形態の要件として、保持力に影響を及ぼす因子@軸面の高さA軸面テーパーB歯の幅径C支台歯の表面積や、歯冠長が低い場合に装着方向を考慮して付与する補助的保持形態や、対合歯とのスペースによって決まる咬合面形態や、歯頸部辺縁形態などがある。

歯頸部辺縁形態

 

咬合面形態

 最後に支台歯形成というテーマについて調べていくうちに、支台歯形成というのは歯科医師にとって基本的な技術であると同時に、最も重要な項目であることを改めて実感しました。

<参考文献>
 クラウンブリッジの臨床(医歯薬出版)
 クラウンブリッジ補綴学(医歯薬出版)