大阪歯科大学は、明治44年(1911)に創立され、平成23年(2011)には創立100周年を迎えようとする伝統と歴史の中で歯科医学教育・研究・臨床の礎が培われてきました。とりわけ、大学附属病院の使命が臨床教育と先端医療、そして地域住民への医療を通じての貢献にあることから、平成9年(1997)には、21世紀の医学・医療の将来像を見据えて、最新の医療設備と機器を備えた新病院を完成させました。
一方、医学・医療に対する考えも、20世紀前半までは、単なる疾患を治す「病気の学問」であるとの意見が強かったのですが、20世紀の半ば以降からは、医学・医療とは「健康の学問」であるとの考えが定着するようになりました。周知のように、健康の学問であるということは、単に疾患(身体の異常)を癒すだけではなく、治療後の再発防止、疾患に罹患しないための疾病発症防止をも包含したものでなくてはなりません。言葉を変えますと、診療に際しては、身体(口腔)の異常を治す疾患(身体の異常)の治療のみに止まることなく、身体(口腔)と心(精神的要因)をも含めた病気(身体と心の異常)の治療にも目を向け、身体(口腔)はもとより、精神的にも安心感と満足感が得られる身と心の健康維持に努めなくてはならないことを意味しております。
他方、本学のような大学の附属病院にあっては、単に臨床教育や先端医療に止まることなく、プロフェッショナルな歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士などへの最新の歯科医学情報の発信基地としての役割も演じなくてはなりません。そのために、本学附属病院では、本学と同窓会とが密に連携を図りながら、歯科医師やコ・スタッフなどを対象としたポストグラデュエートコースを立ち上げ、最新の歯科医学情報の提供にも鋭意、努力を重ねております。
幸いにも、本学の附属病院にあっては、患者さんや一般住民のニーズに応えられ、豊かな人間性と他人を思いやる心を大切にしている素晴らしい医師、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、薬剤師、看護師、放射線技師、臨床検査技師そして事務職員というスタッフたちが、互いに手を携えスクラムを組みながら、患者さんを最優先し、満足が得られるような医療が施されることを念頭に、日夜医療の研鑽に努めております。また、本院では、単に口腔領域に止まることなく、内科、外科、耳鼻咽喉科、眼科などといった全身管理機構も併設・完備し、国民による国民のための国民の口腔、広くは全身をも踏まえた大学附属病院であることをモットーに、医師、歯科医師、コ・スタッフがお互いに手を携え、最良の医療を施すと同時に、患者さんの身と心の訴えに耳を傾け、多くの患者さんたちに満足感が与えられるべきラポール(信頼関係)の確立にも努めております。

学校法人大阪歯科大学
理事長・学長 川添 堯彬
超高齢化社会を迎えているわが国の現況を鑑みますと、日常生活の中で、常に健康で、快適な生活をおくることが求められています。「食べる、噛む、味わう、話す、臭う、聞く、見る」といったヒトの口腔、顔面の機能と審美性は、我々が健康で快適な日常生活を営む上で必須といえるのではないかと思っております。大阪歯科大学附属病院は人間性豊かなすぐれた歯科医師を育成する歯科医学教育機関であるとともに、これらの機能と審美性の向上させることを目的に、安心・安全な先進的歯科医療と臨床的研究を行っております。また、口腔保健の向上に努め、健康増進と長寿に貢献しております。
本学附属病院は本年(2011年)に創立100周年を迎える歯科の総合医療機関であり、保存修復科、歯内治療科、歯周治療科、補綴咬合治療科、高齢者歯科、口腔外科、矯正歯科、小児歯科・障害者歯科、歯科放射線科、歯科麻酔科・ペインクリニック、予防歯科、口腔インプラント科、総合診療第1科および総合診療・診断科の歯科各科とともに、隣接医科である、内科、耳鼻咽喉科および眼科の合計17診療科を有する関西における総合歯科センターの役割を担っています。さらに、疾患に応じて、息さわやか(口臭)外来、白い歯外来、ドライアイ・ドライマウス外来、顎変形症外来、顎関節外来、口腔腫瘍外来、唇顎口蓋裂外来および歯科CAD/CAMセンターの8専門外来を併設し、患者様のより専門的なニーズにお応えしております。また、診療所の先生方への支援としてCT、MRI、歯科用CT、検体検査および病理組織検査の検査支援体制を整備しており、多くの先生方との共同治療にご利用いただいております。
市民の皆様の温かい励ましと、ご期待に沿うべく、今後も患者様の病に共感し、あたたかい医療を提供するとともに、優れた歯科医療のセンターとしての役割を果たしていく所存でございます。

附属病院長 覚道 健治