大阪歯科大学 大学院歯科学研究科
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専攻科紹介
解剖学
生理学
生化学
病理学
細菌学
薬理学
歯科理工学
口腔衛生学
歯科保存学
歯内治療学
歯周病学
高齢者歯科学
有歯補綴咬合学
欠損歯列補綴咬合学
口腔外科学
歯科矯正学
歯科放射線学
小児歯科学
歯科麻酔学
解剖学
■ 解剖学
形態学は医学・歯学における基礎的知識である。大学院ではさらに詳細な形態学的な知識を得ることが目標となる。人体における系統では、消化器系の始まりとしての口腔を中心として、肉眼、光顕、電子顕微鏡レベルで研究し、他の器官との有機的な連係を探求している。
 当専攻科は1952年にプラスチック脈管注入法を開発し、この方法を用いて人体や実験動物のみならず多種の哺乳動物脈管系をマクロ、ミクロ、その中間レベルで比較解剖学的に研究している。ミクロレベルでは1990年に従来の注入法を改良して走査電顕で微細血管構築を観察する方法を確立し、現在、各器官の微細血管構造の正常像について追求している。一方、臨床分野にもこの方法を応用し、歯科矯正、歯科インプラント、歯周組織、骨組織の増生と血管新生、腫瘍と血管新生、創傷治癒過程の組織などの微細血管構築を主体とした研究を行い、臨床に役立つ示唆を行っている。また、最近では免疫組織学的手法により歯科領域における神経系とくに神経と血管の形態的相関関係の研究も積極的に進め始めている。
 探求心が強く、研究に熱い情熱と努力を惜しまない者を希望する。

■ 口腔解剖学
本専攻科は口腔の形態学全般を教育・研究しており、その対象は歯の形態、歯列・咬合などを肉眼的観察、計測、分析から、歯および歯周組織の微細構造の光学顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡や電子顕微鏡による検索にまで及んでいる。また歯周組織の発生・成長から加齢変化に至る長いスパンを対象としている。さらに比較解剖学分野では人類学的な研究ばかりでなく現生の生物から古生物に至るまで幅広く研究対象としている。
本専攻科は歯科臨床の主対象である歯と咬合を直接的に取り扱う基礎分野であるので臨床と密接な関係があり、臨床に役立つ研究の進展が要求されている。現在、肉眼解剖学分野では歯列弓形態の解析を、組織学分野では歯系組織にみられるリンパ系の観察を、歯系組織の発生の分野においては分子生物学的手法を用いて硬組織形成に関与する遺伝子の模索を進めている。また口腔顎顔面組織における疼痛の発生と中枢での情報伝達についても形態学的な見地から研究している。さらに組織幹細胞の研究を主体とした再生医学の分野に新たに取り組むべく、ラット歯髄幹細胞や骨髄細胞の培養による基礎研究も進行中である。
大学院生は将来、教育研究の第一線に立つリーダーとなるべき人材であるので幅広い知識・技能・経験が求められる。その基礎として研究者としての技能研修、知識修得を目指すと同時に自らの学問的好奇心のおもむくままに真理の追究追求に邁進していただきたい。
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生理学
口腔の生理現象を、機能的な側面と形態的な側面との両面からたえず究明することを主眼として、臨床歯学と直接関連した研究を行うという講座開設当初からの大目標に向かって、積極的な研究活動を進めている。
 現在の研究内容は、1)唾液および唾液腺に関するもの、2)口腔感覚の中枢神経機能に関するもの、3)歯科領域の人間工学に関するもの、および、4)歯周免疫学に関するものである。
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生化学
多細胞体にとって最も重要なことは、細胞と細胞が有機的に連携しながら相互機能することである。多細胞体構成細胞はこの目的を達成するために細胞外マトリックス成分(線維性タンパク質、接着性タンパク質、複合糖質など)を分泌し、細胞−細胞外マトリックスの連携に注目し、口腔疾患の発症過程や進展の様相を組織機能の面から追及している。さらに、平成15年度より学内共同研究の1つである「歯科領域における再生医療の可能性」に参加し、骨代謝を中心とした再生歯科医学領域の研究に取り組んでいる。とくに、骨芽細胞や硬骨細胞の分化と活性化の機構、各種サイトカインによる影響についての研究を進展させている。生化学で追究する対象は分子、遺伝子レベルであり、分子構造とそれらの作用機序を多次元的にイメージしながら研究を進めている。
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病理学
病理学は疾病概念を取り扱う学問であり、疾病の解明は最初、臓器レベルから始まり、細胞レベルそして器官レベルで行われてきた。現在では、遺伝子解析技術の急速な進歩に伴って、疾病の解明はは遺伝子レベルで行われるようになってきている。今や究極の病理学である分子病理学の時代になり、ゲノム解析からプロテオーム解析の時代に入り、その応用によって治療方法も変わりつつある。
 病理学には外科病理学と実験病理学があり、当専攻科では両者について実践している。外科病理学は検査や手術のために採取された組織を対象に病理組織診断を下す内容である。診断なくして治療なし。治療するためには先ず診断が不可欠であり、口腔外科領域の研究にも大いに関与している。実験病理として生体材料や手術材料、培養細胞および実験動物を用いて歯周病、腫瘍、再生歯科医学領域の研究を行っている。
 以上について組織化学、モノクローナル抗体、共焦点レーザー走査顕微鏡、in situ hybridization、および in situ PCR などの手法を用いて研究を行っている。
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細菌学
我々の研究では、「歯垢はバイオフィルムである」という概念から離れて、スクロース非存在下で菌体外多糖 exopolysaccharide EPS を産生する。緑膿菌と類似のバイオフィルム形成菌を口腔感染症の病巣から分離している。これらのバイオフィルム形成菌はいずれも、口腔感染症の中でもっとも病原性が強いと考えられている Pophyromonas gingivalis よりも100倍から1、000倍強い膿瘍形成能をもつ。したがってバイオフィルム形成菌は、口腔感染症の増悪化に重要な役割を果たしていると考えられる。では何故バイオフィルム形成菌がこれまで注目されなかったのか?それは臨床から分離されたバイオフィルム形成菌の EPS 産生性が、継代培養で減少あるいは消失するためである。
 我々は様々な臨床材料からバイオフィルム形成菌の分布比率を求めようとしている。また EPS 産生性を保持している口腔バイオフィルム形成菌の、EPS 産生に関連する遺伝子の解析を進めている。
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薬理学
活力をもち自立して積極的に研究をおし進め、グローバルに活躍できる創造性豊かな研究者の育成を主眼としている。
研究内容
1. 炎症、創傷治癒などのメカニズムの追及
2. 新しい歯科用薬剤の開発
3. 再生医学に関する研究
4. 口腔疾患の遺伝子診断に向けて、疾患発症遺伝子の検索
5. SNP の医療・創薬への応用に関する研究
6. 白血球の遊走・貪食・活性酸素に関する研究
7. 歯周疾患自然発症ラットを用い、歯周疾患の病因ならびに病態の解明
8. 糖尿病が歯周疾患に及ぼす影響について生体防御機能の面から研究
9. 歯髄線維芽細胞の分化に関する研究
10. 歯肉および歯根膜線維芽細胞を用いた細胞と細胞のコミュニケーションの研究
11. 癌に対する抗体免疫療法における補体と補体制御因子の役割の解析
12. サイトカインによる舌癌細胞のアポトーシスの誘導に関する研究
13. 発癌機構におけるDNA 損傷応答に関する研究
14. 歯科治療における唾液中ストレスマーカーの検索
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歯科理工学
口腔顎顔面領域の健康回復のために用いられる歯科生体材料について、生物学的な観点からの研究を基軸と位置づけています。とくに、社会のニーズに応えるべく、細胞培養を応用した細胞毒性試験法によって歯科生体材料の生物学的評価を行ってきました。
 現在、歯科臨床の場に生体適合性に優れた歯科生体材料を発信すべく、テイッシュエンジニアリン手法やチタンの表面改質などによる新しい歯科生体材料の創製を展開しています。また、分子生物学的手法による評価など新しい試みも活発に行い、海外留学への挑戦あるいは国際学会における発表の機会を通して、国際舞台の場で活躍出来る人材の育成に取り組んでいます。また、共に研究し学ぶ、開かれた研究室であり続けることを心がけています。意欲ある若人の志願を大歓迎します。
1. 歯科生体材料の創製に関する研究
1) ティッシュエンジニアリング手法による展開
2) 合成材料による展開
3) チタンの表面改質による展開
2. In vitro における歯科生体材料の生物学的評価法の確立
1) ES細胞を活用した発生毒性に関する研究
2) 分子生物学的方法による細胞反応の解明
3) 金属アレルギーに関する研究
4) 内分泌攪乱作用に関する研究
5) ストレス蛋白質合成などの初期細胞反応の解明
3. 歯科医療従事者の職業性アレルギーに関する疫学的研究
4. 歯科用器械の生体に及ぼす影響に関する研究
5. 歯科理工学教育の改善に関する研究
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口腔衛生学
口腔衛生学専攻科では、個人や集団を対象にした歯科疾患の予防および口腔領域の健康増進の理論と実際に関する基礎的研究および疫学的研究を行っています。本年度大学院生用の研究課題としては、以下のものがあります。
早期齲蝕診断に関する研究
フッ化物の齲蝕予防に関する研究
唾液タンパク質と口腔疾患に関する研究
口腔疾患の早期検出に関する研究
顔面の三次元的構築に関する研究
歯科医療の需要と供給に関する研究
生涯歯科保健(母子歯科保健・学校歯科保健・産業歯科保健・成人歯科保健・高齢者歯科保健)に関する疫学的研究
口腔と全身の健康に関する研究
口腔保健システム構築に関する研究
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歯科保存学
本専攻科は、う蝕をはじめとした歯の硬組織疾患に対する保存修復学の探求を目的として、特に臨床的な立場から研究に取り組んでいます。現在は、以下の4つのテーマを中心とし、実験室における基礎的研究とともに、臨床経過を観察することで総合的に探求しています。
1. 歯学教育の効率化および人間工学に関する研究
2. 各種修復材料の物性および生体への影響に関する研究
3. 歯科用レーザーの歯科保存学的応用に関する研究
4. 生活歯漂白法に関する研究
 1年次および2年次までは主に附属病院において臨床研修を進めるとともに、実験の手順や論文作成方法等、研究の基本を修得しながら各自のテーマを探求します。そして2年次後半から担当教員の指導のもと、それぞれのテーマについて本格的に研究を進めていくことになります。
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歯内治療学
本専攻科では、歯髄ならびに根尖周囲組織を健全に保存して、咬合・咀嚼・発音器官としての歯の機能をできるだけ永く維持させるために、歯内治療疾患の発症と治癒の概念の確立と新たな技法の開発とを目指している。
 研究内容は、歯内治療用薬剤や器材の開発と改良に関する研究、歯髄および根尖歯周組織における病変の成立や治癒過程に関する細胞化学的、組織化学的、電子顕微鏡的ならびに免疫学的研究を行うとともに、感染根管および根尖病変の諸症状における mRNA 発現に関する生化学的研究や遺伝子解析について分子生物学的手法を用いた研究や自己組織由来の細胞からの「歯の再生」に向けて象牙質−歯髄複合体の再生を目指しての tissue engineering にも取り組んでいる。
また、臨床においては、近年、医療分野への応用が著しいレーザー治療に注目し、感染根管にレーザーを応用すべく、基礎的研究を進めている。その一方で、感染根管治療における細菌学的手法の導入、さらに、実体顕微鏡を応用した歯内治療の確立に向けて多様な取り組みと模索を行っている。
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歯周病学
本専攻科は1970年に開設され、以後30数年にわたり数多くの大学院生たちが多岐にわたって基礎的・臨床的研究に取り組んできました。
 周知のように、本専攻科は臨床系専攻科であることから、研究テーマも臨床に生かされる基礎的研究が主体で、それらの研究成果は本学のみならず他大学、時には外国の専門学会でも多大なる評価を受け、現在の本講座における研究面での基盤ともなっており、現在でもそれら研究成果が臨床にも反映され、おおいに生かされております。講座開設当初から取り組んできた、歯肉と歯根面との再付着(新付着)に関する研究は、現在数多くの大学が手がけている再生医療、とりわけ歯周外科領域での組織再生誘導術(GTR)の研究基盤にもなっています。
 また、本専攻科では、従来から大学院生としての自覚と自主性を尊重し、研究テーマ等の選択は大学院生本人にまかせ、その研究内容を勘案の上、必要に応じて基礎講座への出向、指導を仰ぐという方法を採っています。したがって、現在までの研究内容そのものも多岐にわたっていることも事実です。前述のように、歯周組織再生誘導に欠かすことのできない新生セメント質の再生や歯槽骨の造成、それに伴う歯肉と歯根面との線維性付着を主体とした新付着の研究をGTR膜やエナメルマトリックスデリバティブ、あるいは血小板血漿、アテロコラーゲンなどを使って基盤的研究を行い逐次公表してきました。同時に、歯周手術後における治癒との関連が大きい新生血管の微細構造の検索などの研究も併せ行ってまいりました。また、炎症の機序解明の一助としての免疫化学的ならびに接着分子の研究や生活習慣と関わりが強い歯周疾患にも目を向け、糖尿病と歯周疾患との関係についての研究も途についたのが現状であります。
 一方、臨床研究では、多くの人達が悩んでいる口臭についての研究も、新しく開発した口臭検知機を使用して客観的に捕らえ、実用の運びとなっています。また、診断の一助として、歯肉の色に関する研究も行い、逐次公表してきました。
 以上のことから、本専攻科の大学院生は、臨床系専攻科であることから、基礎的研究のみに偏ることなく、臨床の場における歯周病治療の研鑚にも勤しんでおり、臨学一体を目指しています。
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高齢者歯科学
当専攻科は、高齢者の老化に伴う解剖学的、組織学的および生理学的変化について研究している。また、高齢者の歯科治療において、大きなウェートをしめる補綴処置に伴い、補綴装置が人工臓器として諸機能や外観の回復に寄与するには、生体との調和について種々な面での研究が最大の課題である。そこで、クラウンブリッジから有床義歯、さらにインプラントに至る広い分野で、補綴装置と生体とのかかわりを追及している。すなわち、機能については筋電図学的ならびに運動学的に、周囲組織については病理組織学的ならびに生化学的に、材料については加工法と物理的、化学的性状の関連について、それぞれ検討を加えている。
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有歯補綴咬合学
顎口腔系全体に生ずる様々な疾患・障害に対して、適確な診療・検査・診断を行い、それに基づく咬合治療、咬合回復、保全を図ることが補綴咬合学の教育研究目標であり、当専攻科では主に有歯顎を対象としている。研究は、以下の大テーマを中心に種々の計測法、装置を使用して基礎的ならびに臨床的研究を行っている。
研究内容
1. 咬合、咀嚼の脳機能・全身への影響、咀嚼筋の加齢様相、有歯咬合支持、有歯根膜支持の役割。
2. 顎口腔系機能の疾患・障害の診断基準の確立
顎機能障害、顎関節症の検査・診断法、咬合接触(add 画像診査法、 T-ScanII システム計測法、プレスケール )、咀嚼筋(筋電図計測、筋圧痛計、筋硬度計、筋深部温計測など)、顎関節(TMJ モビリティ計測、TMJ 深部温、MRI 診断など)、下顎運動・咀嚼運動(MKG、食品テクスチャー解析、舌運動の解析)、歯根膜(歯のモビリティ計測、歯根膜物理特性の診断)、咬合力(オクルーザル・フォースメータ、T-ScanII)。
3. 歯科インプラントの補綴学的および咬合学的問題の追究と耐久性の改善
4. 歯冠補綴材料の物性および性能向上
ハイブリッドセラミックス(エステニア)の臼歯部ブリッジへの応用、キャスタブルセラミックス(クリセラ)のブリッジへの応用、ニューセラミックスの色調再現(コンピュータ応用色彩学)、チタン補綴物の物性・製作法による性能改善、CAD/CAM による製作法、三次元計測法。
5. 補綴装置の力学的研究
各種補綴装置の有限要素法による解析、ストレインゲージ法による歪測定。
6. 各種補綴処置の生存率(永続性)に関する臨床疫学研究。
7. EBM, EBD および POS による補綴治療法に関する研究。
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欠損歯列補綴咬合学
専攻科の研究は、咬合を主体とした咀嚼系の機能について、下顎運動や咀嚼筋筋電図の分析から運動の動作学的(Kinesiolgy)な研究を行ってきた。この研究の流れは、経頭蓋磁気刺激による咬筋 MEPsの分析(Motor Evoked Potentials)と進化し、三叉神経運動中枢の興奮性の測定の研究に進展している。
 しかし最近の大学院の研究は、従来からの運動学から視野を広げ、健全な咬合や咀嚼機能が全身の健康にどのように寄与しているか、また逆に咬合崩壊(collapse of occlusion)が、他臓器にどのような悪影響を与えているかについての研究が主課題となりつつある。すなわち、多くの臨床的観察から示唆される咬合機能と全身の関連性についての伝承を科学的に検証することに主眼を向けている。具体的には、脳内マイクロダイヤリシス法によるラットの咬合障害と脳内神経伝達物質との関連性を追求している。
 また、最近では患者へのインフォームドコンセントによる治療中のストレス抑制効果を血中カテコールアミンや連続血圧、脈拍から評価しているが、最近では、唾液中のストレス反応物質の測定から実験的に裏付ける研究にも着手している。一方、21 世紀の研究課題である「歯科再生医学」研究について、京都大学再生医科学研究所において「歯」の再生についても共同研究の取り組みを始めている。
 次のような研究が当面の教室の研究課題となる。
1. 多数歯欠損補綴装置の全身への貢献とその評価(栄養、味覚、情動、免疫機能への効果)
2. 補綴装置装着者の筋電図分析からみた咀嚼機能評価
3. 咬合・咀嚼機能と脳内神経伝達物質との関連(脳内マイクロダイヤリシス法)
4. 歯科治療行為と患者のストレス反応とその抑制法
5. 経頭蓋磁気刺激に誘発される中枢性由来の咬筋 MEPs の分析
6. 歯の再生に関する研究(京都大学再生医科学研究所:共同研究)
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口腔外科学
■ 口腔外科学第 1
口腔外科で取り扱う疾患は非常に多岐にわたり、したがって研究内容も広範囲に及んでいる。当専攻科において現在行っている主たる研究は以下のものが挙げられる。
1) 口腔腫瘍の発生、分化に関する研究
2) 口腔腫瘍の臨床病理学的研究
3) 顎関節症に関する研究
4) 歯性感染症の起炎菌に関する細菌学的研究
5) 顎骨再建に関する研究
さらに口腔粘膜疾患の発症と予防および治療に関する研究、各種病態下や薬剤投与下における創傷治癒に関する研究なども行っていきたい。臨床での疑問点を拾い上げ、患者さんにフィードバックできる研究を続けていきたいと考えている。そして、これらの研究から得られる成果は、各種疾患に対するより高度でかつ適切な治療法の開発と治療成績の向上につながると確信している。
 大学院における研究活動は、独創的研究により新知見を加えることが主たる目標であるが、当専攻科においては、さらに口腔外科学における研究指導者ならびに口腔外科専門医の養成ということも加えて基本方針としている。

■ 口腔外科学第 2
本専攻科の研究課題は、1)顎関節症の病態と治療法に関する研究、2)口腔腫瘍の発症過程および臨床病態に関する研究、3)顎変形症の外科的治療に関する研究、4)口腔インプラントに関する研究、5)再生医療に関する研究に大きく大別される。
顎関節症の病態と治療法に関する研究では、圧縮ストレスに対するヒト顎関節滑膜細胞の応答、またヒト顎関節滑液の微量解析と顎関節症の早期診断への応用について研究している。
 口腔腫瘍の発症過程および臨床病態に関する研究では、口腔前癌病変および口腔扁平上皮癌におけるCK19遺伝子の変異について分子生物学的に解析および口腔癌の浸潤・転移と細胞接着分子の発現性との関連について免疫組織学的および生化学的解析を行っている。
 顎変形症の外科的治療に関する研究では、圧迫骨短縮術後の創傷治癒過程と微小血管構築および有限要素法による圧迫骨短縮術の数値解析を行っている。口腔インプラントに関する研究では、下朝骨欠損部にPRP(多血血小板血祭)を併用して埋入された骨結合性インプラント周囲骨の治癒過程について、組織学的、X線的ならびに走査電願的に検索を行っている。
 再生医療に関する研究では、ラット唾液線の再生およびヒドロキシアバタイト含有スキャホールドを併用した顎骨再生に関する組織学的、分子生物学的研究を行っている。
 このように動物実験モデルや臨床材料を使用し、免疫組織化学的および分子生物学的ならびに生化学的手法を用いたり、電気生理学的手法を用いて、研究を進めている。また、臨床研修については、日本口腔外料学会認定医取得を目標に大学院修了後も引き続き研修を行うようにカリキュラムを組んでいる。

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歯科矯正学
歯科矯正学 矯正学に関連した基礎的・臨床的研究の方法を習得させるとともに、研究論文 としてまとめて、公表するための方法を教授する。さらに、臨床領域であることから、 歯科矯正学の基礎ならびに臨床に関する知識と臨床技術を兼ねそなえた矯正歯科医 の養成を目指している。
 研究内容としては、人為的な歯の移動の機構、骨の改造に影響を及ぼす因子の検討、顎整形力による生体反応、機能と形態の問題、顔面頭蓋の制御機構の問題などを動物実験、生体計測的手法、統計処理を駆使して解明しようとしている。
 また、臨床的研究としては顎・顔面の成長発育に関する研究、不正咬合と顎関節との関連についての研究など幅広く行っている。
 臨床分野では矯正装置の作用機序の理解と、矯正装置による生体の反応の理解が行えるような教育方針でスタートし、直接矯正患者を治療することで経験をも付与する。
 また、咬合育成、咬合の改善に必要な他の臨床歯学との連携によるプロジェクト治療(唇顎口蓋裂及び顎変形症)に対する知識の習得をはかっている。
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歯科放射線学
放射線医学の3本柱は診断・治療・防護といわれている。したがって研究のテーマもこの3つのカテゴリーに大きく区分され、それぞれに指導責任者を置くという形をとっている。
 専攻科創設以来、着実に症例の蓄積、整理に努めてきた結果が歯・顎・顔面領域の疾患に対する画像診断や口腔癌治療の実績として実を結び、学会でも注目を集める存在となった。1996年には「新歯科放射線診断アトラス」(学建書院)を刊行し、教科書として多くの大学で採用されている。最も今日的テーマである放射線防護については公的機関との関連も密で独創的な業績も多い。コンピュータを用いての画像処理やデータベースの構築もルーチンワークとして定着し、新病院には]線CT、MRI、USの最上位機種が設置された。2001年には、すべての画像のデジタル化がスタートし、いうなれば医療における画像情報最前線に身を置く環境が整ったまさに21世紀型の専攻科である。また2004年には、他施設(医科系)とのテレラジオロジー(遠隔画像診断)のシステムも構築されている。
 放射線医学は論理的な展開、自由な発想、斬新な着眼が存分に生かせる若い学問である。エレクトロニクスの駆使に夢を描く柔軟な頭脳の参集を期待する。
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小児歯科学
日常における小児歯料臨床において口腔管理を行うことにより、臨床的研究と基礎的研究とを関連づける研究をメインに行っている。
 臨床面においては、アンダーグラジュエートで修得できなかった小児歯科臨床の真髄を探求し、成長発育の探求をベースに乳歯歯列弓期から永久歯歯列弓の「個人正常校合」への道程の確立を目指している。そのために小児個々に経年的な定期的健診を行い広義での咬合誘導処置を施せる力をつけさせたいと考えている。
 一方、研究面においては、研究のメインテーマは、大学院生白身の自主的な選択に委ねている。しかし、小児歯科学専攻科の研究の柱は、基礎医学を睨んだ臨床に直結した研究により成り立っている。即ち、小児の成長発育・歯列弓の発育・乳歯歯根吸収・永久歯の石灰化・歯萌出時期・口腔疾患と全身異常の関連性・歯の異常・齲蝕予防・歯の外傷・若年性歯周疾患などに関する問題点や日常小児歯科臨床において使用している歯科器材・材料についての考案などが現在おこなわれている研究である。尚、それらの研究は、中央歯学研究所及び関連講座の協力のもとで行うとともにコンピュータなどを駆使し統計処理ならびに分析などを行い真理の探求に努めている。
 平成18年3月24日付、厚生労働省認可・歯科医学会認定の第4番目の広告のできる専門医である「小児歯科専門医」資格習得準備も兼ねると共に、明日への小児歯科臨床の発展向上に力を注ぐことが当専攻科の目標と考えている。
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歯科麻酔学
歯科麻酔学は急性期における全身管理を専門とするため、大学院研究活動も、痛みの基礎と臨床、口腔手術の特性に基づいた麻酔管理法、全身管理法の基礎・臨床など多岐にわたっている。現在、当専攻料で行われている研究テーマは以下の如くである。
1. 脳静脈灌流障害の病態に関する基礎的研究
2. 神経因性疼痛に関する基礎的研究
3. 三叉神経領域の疼痛刺激および咬合障害と脳内モノアミン代謝に関する基礎的研究
4. 上気道反射の基礎的研究
5. 心筋の虚血再灌流障害に関する基礎的研究
6. 麻酔医療過誤の医事法学的研究
7. 全身麻酔および鎮静法に関する臨床的研究
8. ペインクリニックに関する臨床的研究
9. 有病者歯科治療時の全身管理に関する臨床的研究
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