世界を舞台に自分の可能性を探る

#001 国際交流部長が語る、海外留学の醍醐味

日本の常識が世界の常識ではないし、世界は常に変化し続けている

海外に出てみると、頭で思い描いていたことと、実際触れてみるのとでは全然違うということをすごく実感します。本学でも学生のうちに行ける短期海外研修制度もあるし、歯科医師になってからも、勤務2年以上の人には海外留学できる制度もあるから、みんな是非とも行ったらいいと思います。私も大学の教員海外研修制度を利用して1年間イギリスのカーディフ大学に留学させてもらいました。そのおかげですごく視野がひらけたし、海外の歯科事情も知ることができ、そのとき出会った研究者とは今でも繋がっていて、毎年テーマを決めて共同研究をしています。日本にいてももちろん勉強できるけど、海外に行ってみると、大学の講義室や実習室では学べない事がたくさんあることに気づきます。
研究に関することだけじゃなくて、普段日本でふつうにしていること、例えばご飯を食べるとか、買い物をするとか、信号を渡るとか、そういう些細なことも、何もかもすごく新鮮に感じるし、当たり前にできていたことでも、初めてするときのようなドキドキ感というか感動があります。ほんとにそれだけでも行くかいがあるけど、留学の目的である研究にしても、海外と日本とでは、研究室の雰囲気も研究の進め方なんかも全然違ったりして、日本の常識が世界の常識ではないってことを痛感させられました。考えてみれば当たり前のことだけれどね。そういう世界に飛び込んでみると、慣れない場所でやっていくために、自分の立ち位置が客観的にわかって、そこでまた新しく発見することもあります。実は自分はこれが得意だったんだ、とか、自分のレベルみたいなのも冷静に分析したり。

歯科人生における大きな財産を得た

さっき、留学時代に出会った研究者さんたちと今でも繋がりがあって毎年共同研究をしているって言ったけれど、今は一緒に、人工の歯(インプラント)に用いる材料の身体との相性を調べています。材料の表面をちょっといじって変えてみると身体との相性も変わったりとか、面白いですよ。で、こういう出会いは本当に得難い宝物だと思います。
また、これも日本と海外との大きな違いのひとつで、日本の大学の教員は、教育、研究、診療、どれもオールマイティにこなすことが求められているけれど、海外では診療と研究がはっきり分かれていて、それぞれが該当分野の教育を担当する、という環境なんです。それで若手の研究者の人たちはあまり雑事に追われることなく、研究に没頭できている感じでした。そして、僕の行っていたカーディフ大学の研究室では、みんな朝が早い!夏なんかは気候的にも日が長いので、仕事が終わってからも明るくて、それからゴルフに行って、そのあと飲みに行って、みたいなこともできてしまうし、研究以外の時間もすごく充実してました。こういった時間を体験できたことも、留学で得た大切な財産です。
学生の間に、こういう広い世界の片鱗に触れてほしくて、本学では短期海外研修をはじめ、海外協定校との学術交流や協定校への優先的な留学の推進を積極的に行っています。

歯科医師にしかできないこと

実は、歯を削ったり抜いたりなどの外科的な処置は、歯科医師でなく医師免許でもできます。歯科医師にしかできないこと、それは歯の噛み合わせに関すること、すなわち、歯に詰めものをしたり被せたりすること、入れ歯を入れること、歯並びを直すこと。僕は欠損歯列補綴咬合学講座に所属しているんですけど、補綴はまさに、この歯科医師にしかできないことの分野を担っています。だからね、補綴は面白い!日本のもっとも得意とする、モノづくりの領域だしね!
日本の歯科医院の数はコンビニよりも多いなんて言われているけれども、そのぶん一人ひとりへのケアが行き届いたり、専門性の高い治療を行うことができるようになったりと、まだまだいろんな可能性がある。僕自身もまだまだこれから、模索して、誰もやっていないことにチャレンジしたいと思っています。