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貴重図書紹介

本学図書館が所蔵する貴重図書のうち、45種50点について紹介しています。
本学では、16世紀以降に欧米で出版された歯学および医学・生物学分野の貴重図書を収集しています。

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No. 1

No. 1
『人体構造論7巻』 第2版
Vesalius, Andreas. 著

De humani corporis fabrica libri septem. 2. ed.

出版地 Basel
出版者 Johannes Oporinus
出版年 1555
ページ数 824 p
挿図 ill
大きさ 45 cm

ベルギーの解剖学者で外科医のベサリウス(1514−65)は、1533年パリ大学に学び、ガレノスGalenos学説の講義を聞いたがあきたらなくなり、動物の解剖・人骨の収集によって解剖学を研究した。1537年、23歳でイタリアのパドバ大学の解剖学と外科学の教授に任じられ、翌年には、友人の画家の協力を得て“Tabulae anatomicae sex”を著した。次いで1543年にバーゼルで解剖学史上最高の古典といわれる本書の初版を刊行した。しかし、ベサリウスは、この書の中で中世以来のガレノスの権威に抗して自己の見解を主張したために、大方の非難をあび、ついに解剖学研究を断念した。1563年にはエルサレムに巡礼し、その帰途、船が難破してイオニア海の島で病死した。
本書の初版は、ガレノスの学説を打破して、近代解剖学の強固な基礎を確立しただけでなく、同じ年に出版されたコペルニクスNicolaus Copernicusの『天体の回転』と並び近代科学そのものを確立した著作とされている。書名のとおり、「骨格系」「筋肉系」「脈管系」「神経系」「内臓」「心臓・肺」および「脳・感覚器官」の7巻からなり、左右心室の完全な中隔、処女膜、胎盤を記載しているほか、胎児の血行に関してなど新知見が数多く見られる。歯については、わずか2ページの記述しかないが、これまでに度々引き継がれてきた誤りが一掃されている。
1555年に刊行された本書、第2版においては、本質的な進歩を示してはいないが、彼は「私の弟子たちや私の後に続く人々が、私の創始した実地所見に基づく人体解剖学を完成しようと努めている」と述べている。この言葉どおり、ベサリウスが示した成果と精神は、コロンボColombo、ファロピウスFallopius、ファブリキウスFabriciusらに受け継がれた。

No. 2

No. 2
『歯についての小論』 初版
Eustachi, Bartolomeo. 著

Libellus de dentibus.

出版地 Venice
出版者 Vicenzo Luchino
出版年 1563
ページ数 95 p
挿図  
大きさ 21 cm

イタリアの解剖学者で、ローマ大学教授であったエウスタキオ(1520?−74)は、1552年に世界で最初の銅板解剖図“Tabulae Anatomicae”を完成し、交感神経の全景や脳底の詳細な図解など多数の新知見を記したが、この図譜は1714年に出版されるまで法王宮図書館に埋もれたまま知られることはなかった。また、彼はこのほかの幾つかの著書の中でも、今日まで彼にちなんだ名で呼ばれている耳管(Eustachian tube)をはじめ、胸管や副腎の発見、交感神経系の構造の解明などきわめて多くの業績を残しており、彼の処女作が生前に公表されていればベサリウスと並ぶ解剖学の創始者とされていただろうといわれている。
30章からなる本書は、歯牙の解剖について書かれた最初の単行本であり、流産児、死産児、さまざまな年齢の幼児および動物の子供を対象とした体系的な調査の成果が、歯牙の解剖・生理・発育の全般にわたり正確に記述されている。中でも、歯牙形成の研究が有名であり、歯嚢の発育を観察することにより、永久歯は乳歯の歯根から発生するというベサリウスの主張を覆した。

No. 3

No. 3
『シュレージェン地方の子供の金の臼歯に関する考察』 初版
Horst, Jacobi. 著

De aureo dente maxillari pueri Silesii, primum, utrum eius generatio naturalis fuerit, necne; deinde an digna eius interpretatio dari queat. Et de noctambulonum natura, differentiis & causis, eorumque tam praeservativa quam etiam curativa, denuo auctus liber.

出版地 Lipsiae
出版者 Impensis Valentini Voegelini
出版年 1595
ページ数 318 p
挿図  
大きさ 16 cm

1593年、シュレージェン地方シュバイトニッツで下顎に金の臼歯を持つ子供が発見されたとの噂がドイツ全域に流布した。科学的根拠に基づくものではなかったが、当時はそれについて多くの論文や小論が発表された。ドイツの医師でユリウス大学医学教授であったホルスト(1537−1600)も、本書において、この現象を子供の出生時における星座の位置関係による自然的および超自然的要素によって発生したものと解説している。