ミレニアムのこの歳,2000年11月10日(金),11日(土)に,第104回日本補綴歯科学会学術大会が,大阪の都心部中之島に今春オープンした「大阪国際会議場(グランキューブ大阪)」において開催されます.この国際会議場は,21世紀の国際交流・情報受発信の中核基地として,古来より人・物・情報の交流の舞台であった大阪中之島に新しく建設された最新機能・多目的の施設でリーガロイヤルホテルと隣接しています.交通アクセスも関西空港から約1時間,大阪空港(伊丹)から約40分,新大阪駅から約20分,大阪駅から約10分と至便なところにあります.
さて,今世紀最後の開催となる第104回日本補綴学会学術大会の企画内容には大きな特徴がいくつかあります.
その第一は,初めてメインテーマを掲げたことであり,今回のメインテーマ「加齢に伴う口腔環境の変化と補綴学的対応」は,時代と社会は21世紀を待たずして高齢化社会を迎えており,まさに長寿者の健康,医療に重大な問題を抱えているおりから,歯科補綴学領域にとっても関心と責務の大きな問題であろうと思われます.時を同じくして,ボストンのハーバード大学医学部においても国際シンポジウム「加齢と健康」が開催されることになっています.
そこで本学術大会では,このメインテーマに沿ったシンポジウム3本,特別講演,招待講演,課題講演,研究教育研修を極力一貫させた演題を取り上げています.
シンポジウムは1.「加齢による口腔機能の変化はどこにどのように現れるか」,2.「加齢を考慮に入れた補綴治療のための検査・診断」,3.「成人患者と高齢患者の補綴学的対応(治療方針)の違いを探る」の3本を2日間で行います.特別講演として,11月10日に「古代人の顎・歯に学ぶ口腔機能の大切さ−日本人の顎や歯はどのように変化してきたのか−」と題して京都大学霊長類研究所の茂原信生教授に講演をいただきます.また,招待講演として,11月11日に「Implants in different indications for the aging and aged patients: A 20-year follow-up.(高齢者の多様なインプラント症例:20年のフォローアップ)」と題してオーストリア・グラッツ大学補綴学の準教授であるWegscheider先生の講演を開催します.さらに,11月10日に「ティッシュエンジニアリング」のテーマで研究教育研修を開きます.
第二の特徴は臨床的テーマを多く取り上げていることで,臨床家,非会員にとっても見逃せない機会となることでしょう.また学生,コワーカーの参加も歓迎いたします.
第三の特徴は,11月12日(日)「国際シンポジウム大阪2000」の併催です.国際シンポジウム大阪2000は,“Beyond 2000: Prosthodontics In The New Millennium”をメインテーマとし,「Principles and Management Strategies of Prosthodontics Beyond 2000(21世紀における歯科補綴学のストラテジー)」,「Advanced Esthetics for Prosthodontics in the New Millennium(ミレニアムを迎えた審美補綴の最前線)」,「Learn More in Prosthodontics in One Day(1日で学ぶ補綴臨床のグローバルスタンダード)」の3つのテーマで行われます.
第四の特徴は,今回の学術大会では一般口演,ポスター講演,課題口演の提出数が175題を越えて史上最多になり,学術大会二日目(11月11日)には認定医発表・審査も行われます.特筆すべきことは,今回の参加で認定医申請・更新の単位が倍増して獲得できるようになっており,第104回学術大会で4単位,国際シンポジウム大阪2000で4単位,両方の参加で合計8単位が得られます.
第五は,アジア諸外国からの参加者が多いことで,中国,韓国,台湾での本学会に対する関心が特に高く,まとまった人数の参加希望者がある見込みです.
第六は,展示企業が豊富なことと,展示会場が広く確保してあり,ポスター会場,休憩場と同じフロアーでゆっくりと見ていただけることです.
第七は,同じ建物で行う懇親会で,できるだけ多くのご参加をお待ちして快適で有意義な場にしたいと願っております.
その他,大きく変わり行く大阪の昼と夜の文化・街を楽しんでいただきたいと存じます.