講義および基礎実習
クラウン・ブリッジ補綴学
配当学年
第3学年(通年)
授業方法
講義・実習・示説
担当者
田中昌博,田中順子,佐藤正樹,鳥井克典,
藤井孝政,大河貴久,向井憲夫,覺道昌樹
予定開講コマ数
150コマ
一般目標(GIO)
歯質欠損に対する歯冠修復と,歯列の一部欠損に対する修復の臨床的意義と修復方法を理解する。
治療に必要な歯科材料についての種類と性質の理解を深め,製作法と取扱い法が実践できる。
基礎実習内容
課題 1 支台歯形成
課題 2 プロビジョナルレストレーションの製作
課題 3 固定性ブリッジの製作
課題 4 オールセラミッククラウンの製作
課題 5 支台歯形成(ファントムヘッド)
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教科書:
第5版クラウンブリッジ補綴学 矢谷博文ほか編 医歯薬出版
冠橋義歯補綴学テキスト 松村英雄ほか編 永末書店
クラウンブリッジテクニック 石橋寛二ほか編 医歯薬出版
参考書:
「標準クラウン・ブリッジ補綴学」 羽賀通夫ほか編 医学書院 「脱落・破折の生じない支台築造法」 川添堯彬ほか著 第一歯科出版 「咬合治療マニュアル」 川添堯彬訳 医歯薬出版 「臨床咬合学」 福島俊士ほか著 医歯薬出版 「顎機能障害」 坂東永一ほか編 医歯薬出版 「新しい歯科接着技法アトラス」 山下
敦著 医歯薬出版 「キャスト・ゴールド・プレパレーション」 シリングバーグほか編 医歯薬出版 「咬合・咀嚼障害の臨床」 細井紀雄ほか編 医歯薬出版
講義内容と授業目標
【総論】 歯科補綴学総論の中から有歯顎補綴学に関連の深い以下の項目について学習する。
1.歯質欠損および歯の喪失(欠如)に伴う顎口腔系の形態、機能の病態
2.有歯顎者の咬合
3.診査法,検査法と診断法
4.歯科補綴用器材
【各論】
1.病態と補綴治療の意義 有歯顎者における歯質欠損および部分的歯の欠如に関連する病態とはいかなるものか、それらはどんな継続疾患を生むのかについて最初に問題提起を行い、欠損、欠如に伴うさまざまな疾患、病態、そして障害を咬合機能を中心に考え理解する。また、失った顎口腔系の形態、機能を回復するための治療に重要な下顎位、下顎運動、咬合を重視し、クラウン・ブリッジなどを用いての咬合回復治療法の意義を理解する。
2.クラウン・ブリッジの要件 顎口腔系の失われた形態、機能を回復、改善し、疾患を治療する手段、方法としてのクラウン・ブリッジの要件、種類について理解する。
3.診断 有歯顎咬合回復治療に必要となる診査、診断、治療計画、設計、患者に対するインフォームド・コンセント、前処置などについて学習する。
4.歯の処置 本処置の最初は、生体、口腔内での処置であり、支台歯形成が中心となる。この際、かけがえのない生体に侵襲を加えることになるため、生体、口腔、歯および軟組織に対する尊厳さを最大限に認識しなければならない。その心構えで支台歯形成、暫間処置などについて十分理解し、基礎実習で徹底して練習する必要がある。
5.印象 精密な補綴物を製作する目的や患者の苦痛を可及的に軽減するために、精密な印象採得、前準備を理解、習得することが重要となる。
6.顎間関係の記録 印象採得とともに、この咬合採得も間接法による診断や補綴物製作に不可欠の処置、術式である。単なる操作だけでなく、下顎位、下顎運動、咬合、咬合器に関する十分な知識を備えていなければならない。
7.製作および装着 クラウン・ブリッジの代表的なものの技工ステップを十分理解し、最も必要性の高い単純な補綴物を製作できる技術的能力を歯科学生は最小限学習しておく必要がある。また、口腔内試適、装着についても十分理解し、臨床実習に備えなければならない。
8.装着後の変化とその対応 補綴処置は装着時点がゴールでは決してない。人工臓器としての補綴物が生体の中で機能を始めるスタート点であり、装着後にさまざまな変化が発生し、生体に障害が生じることがあるため、それらの発見と対応の方法を学習しておく必要がある。
9.その他の治療法 クラウン・ブリッジの応用として、接着技法、歯科インプラントなどについても知識を広げておく。
成績評価方法
1.講義・実習の進行に応じて理解度テストを行い、平常点とする。
2.実習課題については、提出作品だけでなく、実習態度、出席状況等を総合評価し、完了・未完了を判定する。 3.実習課題の完了者に、実習試験の受験資格を与える。
4.筆記試験および実習試験に合格した者に所定の単位を与える。 |