アレイ電極図 | 筋線維伝導速度 |
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アレイ電極レントゲン | |
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Lynn, Masudaらにより,筋の活動電位の伝播速度を非侵襲的にかつ直接計測できる手法が提案され, われわれ
(田中昌博,徳永 徹,佐古好正,川添堯彬,佐渡山亜兵,増田 正.アレイ電極による 咬筋表面E
MG記録.下顎機能とEMG論文集 3:149-154,1986)はMasudaらの 手法に準じて,咬筋を対象とし
て,その筋疲労を,活動電位の伝導速度から診断することを目指し,表面電極を筋走行に沿ってアレイ状
に配置し,隣り合う電極から双極誘導し, 中心咬合位でのクレンチング時の表面筋電位を記録した。まず,
咬筋表面皮膚上の空間的な 活動電位分布をとらえ,そして振幅ならびに位相について観察して,エンドプ
レートの位置を推定し ,筋線維上の活動電位の伝導速度を非侵襲的に測定した。
さらに多くの情報を得るため,筋線維方向だけでなく筋周囲方向,なわち前後方向にも導出部位を
拡大したマトリックス状の187極表面電極製作し,咀嚼筋の運動単位活動電位(MAUP)をとらえ,
その伝播様相と伝播の開始点である神経筋接合部を推定し,2次元的観察を行った。
1993年,水井はアレイ状表面電極を用い,機械的刺激によりjaw jerk reflexとsilent period
を記録し,神経筋接合部からの伝播様相を観察,筋線維伝導速度を計算した。
さらに同じ電極を用いて,電気刺激を加えたときの咬筋におけるM波の様相を観察し,
筋線維伝導速度ならびに終末潜時を求めた。
1994年鍋島らはさらに,咬合高径が咬筋,側頭筋の筋線維伝導速度および筋電位周波数成分に
及ぼす影響について研究を行った。