川添堯彬(かわぞえたかよし)

略歴
1942年生
昭和41年3月 大阪歯科大学卒業(大14回)
昭和45年3月 大阪歯科大学大学院修了
昭和45年4月 大阪歯科大学 助手(歯科補綴学第3講座)
昭和49年4月   同      講師
昭和49年4月 岐阜歯科大学 助教授(歯科補綴学第1講座)
昭和54年8月〜昭和58年11月 歯科医師国家試験委員
昭和57年8月 大阪歯科大学 教授(歯科補綴学第2講座)
昭和57年10月 大阪歯科大学大学院 教授
昭和57年10月 大阪府歯科技工士試験委員
昭和58年〜現在 朝日大学歯学部 非常勤講師
昭和59年〜現在 岡山大学歯学部 非常勤講師
平成2年9月〜平成4年8月 歯科医師国家試験委員
平成6年4月〜平成8年3月 大阪大学歯学部 非常勤講師
平成9年4月 日本補綴歯科学会副会長
平成9年4月 日本口腔インプラント学会副会長
平成9年4月〜平成11年3月 国際歯科研究学会(IADR)理事
平成11年1月 日本顎頭蓋機能学会会長
平成11年4月〜平成13年3月 国際歯科研究学会日本部会(JADR)監事
平成13年4月〜平成14年3月 日本補綴歯科学会会長
平成15年4月 日本口腔インプラント学会会長
平成19年10月 大阪歯科大学 学長
平成19年10月〜現在 大阪歯科大学 理事長


講座の歩み

教育・研究活動
 この10年間は,教育の改革,その実践に取り組んできた。知識伝授型から問題解決型へ,講義・実習の目標を変更してきた。 基礎実習では,平成3年度から8年度までは,4年生に対する講義および基礎実習を担当した。実習はG棟6階および7階の2つの実習室で同時進行させた。実習課題内容の変遷としては,ポーセレンジャケットクラウンの製作法から陶材焼付鋳造冠の製作に変更し,ファントムを用いたタービンヘッドによる支台歯形成実習も追加した。さらに,実習初期の段階で,フェイスボウトランスファーを用いた咬合診断を行うようになった。
 もっとも大きな変化は,平成9年の新学舎完成に伴うものである。講義は,スライドだけでなくビデオやコンピューターを用いたビジュアルなものに変更した。新実習室では,全学生に対して,1フロアーで実習することが可能となった。視聴覚施設も完備されたため,デモンストレーションをビデオカメラで実況したり,デジタルカメラの画像を提示することが可能となった。さらに,ファントムおよびタービン等が完備された実習机が導入されたことにより,臨床を踏まえた実習が可能となった。そのため,支台歯形成のトレーニングにかける時間数を増やした。その他の課題についても学生の自主性を尊重するような進行方法および時間配分に変更した。
 平成11年度からは,学生の臨床に対する意識を高める目的で,臨床セミナーと題し,講座外講師として末瀬一彦客員教授および本多正明先生に講義をお願いした。さらに,これまで製作過程で用いていた平均値咬合器を半調節性咬合器(ハノー社製NYU型)に変更し,咬合に対する理解を深められるよう配慮した。平成12年度は,これまでの講義・実習の更なる充実を図っている。
 臨床実習でのプレクリニックでは,昭和62年度から実施してきたファントムを用いた支台歯形成実習を,平成9年度からは,楠葉学舎第8実習室にて課題のひとつとして実習させてきた。また,これまで研究から判明した咬頭嵌合位での正常な咬合接触について,第9実習室でブラックシリコーン診査法を実習させ,理解させてきた。もうひとつの課題に,これまでの医師中心の医療(DOS)から患者中心の医療(POS)について講義して,カルテ記載を通して理解させてきた。
 患者配当を受けてから,臨床講義,診療室での実習,カンファレンスにて,POSに立脚した臨床を指導してきた。
 いま,科学的根拠に基づく臨床(Evidence based mdicine:EBM)を推進するために,科学的根拠の作成が求められている。それに則って,われわれの講座でも,顎機能,インプラント,新素材開発などそれぞれの分で,研究が進んだ。その結果,平成3〜11年度に,大学院20編,専攻生9編の学位論文,そのほか印刷公表論88編(うち英語論文26編),学会発表392編(うち国際会議84編),総説および著書42編の大きな業績を残すことができた。
 平成12年4月に,講座名が「有歯補綴咬合学講座」に変更となり,その名称が示すところは,歯を喪失させないために,神経筋機構にとって非常に重要な役割を担う歯根膜を活用した補綴治療によって,多くの国民が生涯,自分の歯で咀嚼できるように目指すものである。


著書(共著,訳書含む)

クラウンブリッジ補綴学 第3版
医歯薬出版,2004年
DENTAL DIAMOND増刊号
補綴を健康にする80のいろいろ
デンタルダイヤモンド社,2003年
歯科審美学 基礎編
永松書店,2002年
インプラント評価基準の新しいコンセンサス
-トロント会議の全容- 
クインテッセンス,2001年
カラーアトラス 咬合・咀嚼障害の臨床
医歯薬出版,2001年
インプラント・シュミレーションの臨床 
SIM/Plant(TM)の応用 
クインテッセンス,1999年
ハイブリッドセラミックス新しい歯冠修復の臨床
医歯薬出版,1998年
エッセンシャル顎関節機能障害
第一歯科出版,1998年
顎関節症のとらえ方と対応の仕方
 ―診断と治療の実際―
日本歯科評論,1998年
  歯科臨床研修マニュアル
医歯薬出版,1997年
アドバンスシリーズ[2]
顎機能障害―新しい診断システムと治療方針−
医歯薬出版,1993年
カラーアトラス 補綴の予後[U]
クラウン・ブリッジ編
医歯薬出版,1993年
顎口腔機能分析の基礎とその応用
日本歯科評論,1991年
脱落・破折の生じない支台築造法
第一歯科出版,1989年
咬合治療マニュアル
医歯薬出版,1977年
咬合・その原則と実際
医歯薬出版,1974年


 
 

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