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大阪歯科大学

田中 昭男

歯学部長/田中 昭男

大阪歯科大学は2017年4月に医療保健学部が開設され、歯学部と医療保健学部の2学部を擁する大学として発展し、それに伴い歯学部長を拝命しましたので、ご挨拶申し上げます。
日本では、高齢化率が21%を超え超高齢社会に突入したのは2007年であり、2016年には27.3%になり、ほぼ3人に1人は65歳以上であります。さらに少子高齢化が進む中で疾病構造の変化が顕著になり、それに伴い歯科医学や歯科医療に対する取組みが変わってきます。したがって、多様なニーズに対応できる歯科医師がより一層求められます。

文科省は、2016年度から教育の質転換を図るべく「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」「教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)」および「学生の受入れ方針(アドミッション・ポリシー)」を策定し公表することを求めています。歯学部には3つのポリシーがあり、それに沿って歯科医師の養成を行っています。勿論、この3ポリシーには本学の建学の精神である「博愛と公益」ならびに理事長・学長が示している5つの力そして追加3つの力を満たすものであり、多様なニーズに対応できる歯科医師の輩出に繋がるものであります。
歯学部では1年次から4年次までは楠葉学舎で、5・6年次は天満橋学舎で学修します。とくに1年次には歯科医師への素養教育が中心で、リベラルアーツ教育を主としてコミュニケーション力の涵養、基礎科学の学修、早期臨床体験学習、社会福祉施設体験学習を行うことによって早期に歯科医師になる強い自覚を持たせ、その後、学年が進むに従い、基礎系歯科医学、社会系歯科医学および臨床系歯科医学の科目を順次性に、そして総合医学系の科目も学修します。また、特色ある授業として歯科東洋医学やスポーツ歯学などの科目もあります。さらにCBTやOSCEに向けて臨床実習に入る前の学修を十分に行い、臨床実習がスムーズに行えるように知識と技能、そして態度を身に付けます。臨床実習では診療参加型臨床実習を行い、学生自身が自律性をもって患者さんを診察、治療を行えるように木目細かい指導を行います。さらに臨床実習知識試験を行うとともに臨床実習の終了時には終了時試験を課し技能と態度の確認を行います。

医療人は患者さんとの良好なコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが重要であり、そのために1年次からそれらを醸成することを進めています。しかも、歯科医学・歯科医療の進歩はめざましく、また、近未来には人工知能(AI)の更なる発展によって大きな技術革新が起こることが予測されます。それに対応するために研究マインドを持った歯科医師の養成を推進するとともに、全体の学力の向上を図り、オナーズ教育にも注力してグローバルに活躍できる人材の養成にも努めています。さらにグローバル化を推進するために希望者にはシドニー大学歯学部、コロンビア大学歯学部、上海交通大学口腔医学院、北京大学口腔医学院、南方医科大学口腔医学院、四川大学華西口腔医学院、台北医学大学口腔医学院およびキングス・カレッジ・ロンドン大学歯学部において海外研修の機会を設けています。

最近の研究は高度化しているため、チーム力が求められます。総力を挙げて研究を行う必要があり、総合力がものをいう時代になっています。これは医療の面においても同様であり、超高齢社会にあっては患者さんの疾病の背景は複雑であるので、チームで対応するいわゆる多職種連携が必要になってきています。そのため、附属病院での臨床実習だけでなく、外部の病院での急性期および慢性期の医療にも対応できる実習も行っております。また、質保証された歯科医師の養成のため、国が求めている診療参加型臨床実習を遂行する上で必要な新しいシステムによる臨床実習のトライアルにも積極的に参加し、社会のニーズに応えられる歯科医師の養成を進めていますので、学生諸君はそれに向けて邁進することを願っています。