CLOSE

大阪歯科大学

100年の伝統を生かし Science, Art & Heartを兼ね備えた 真の医療人を育成する

理事長・学長 川添 堯彬

理事長・学長 川添 堯彬

 大阪歯科大学は1911年の創立以来、「博愛」と「公益」の建学の精神のもと世紀を超えて歯科医師のプロフェッショナルを育成してきました。2017年春には併設の大阪歯科大学歯科衛生士専門学校と大阪歯科大学歯科技工士専門学校を新しく「医療保健学部」として「大学」に統合し、それぞれ口腔保健学科、口腔工学科として新たな一歩を踏み出しています。さらに、2018年4月には医療保健学部を基礎学部とする「大学院医療保健学研究科」を開設し、2学部3学科、2研究科を擁する歯科医療の総合大学として始動いたします。

 このように本学は現在、大学の歴史の上でも大きな飛躍を続けている最中にありますが、「Science(最新の歯科医療知識), Art(最新の歯科医療技術) & Heart(思いやりの心)」という教育理念は不変のものとして、日々教育・研究・臨床活動に専心、邁進しています。

 創立100周年を機に、本学はこれからの大学全体の目指すべき方向性として、五つの力(りょく)の目標「募集ブランド力の回復」「学力の向上」「教育力の向上」「人間性涵養力への注力」「教員人材育成力への注力」及び三つの力の追加目標「学生の国際交流力増強」「大学院力の増強」「研究力の向上」を掲げ、さまざまな改革を実行してきました。その結果、道半ばの目標もありますが、おおむね着実に前進し、ゴールが見えつつある現状と自己点検・評価をしております。

 上記八つの力(八策)のうち、重点目標として近年とくに力を入れているのが「教育力の向上」と「学生の国際交流力増強」です。前者については、学生が意欲的に学修でき、国家試験への備えとしても万全のカリキュラムを導入するとともに、確実に進級を果たせるように教授法を工夫するなど、一人ひとりの顔が見える少人数体制のもと、各教員は熱意をもって教育に取り組んでいます。また歯学部では、社会奉仕活動を正規の授業に取り入れるなど、初年次から多様な人間性教育を行い、真の医療人になくてはならない“思いやりの心”を育むための教育を実践しています。

 第二の重点目標「学生の国際交流力増強」においては、海外留学を推奨しています。本学は、米国のコロンビア大学や英国のキングスカレッジロンドンなど世界トップレベルの16大学と交流協定を締結し、毎年、提携校へ学生を派遣していますが、在学中に一人でも多くの学生に海外を訪れ、歯科医療の最先端を学び、異文化を肌で感じ、世界に目標を共有する友人をつくってもらいたいと思っています。柔軟な感性を持つ若い時期の異文化体験は、他者を受け入れる寛容力を培い、ひいては人間力の向上につながり、後々かけがえのない財産となることでしょう。大学院在学中や修了後に長期海外留学を考えている方には、帰国後の籍を確保する「海外留学経験者特別採用制度」を設けています。この経験が、皆さんの将来の進路拡大への大きな励みとなることを期待しています。

 口腔の健康が全身の健康と密接に関係していることが明らかになってきた今、優れた資質をもつ歯科衛生士、歯科技工士に対する社会の期待と要請はますます高まっています。日本の歯科技工士の技術力は世界が認めるところですが、歯科先進国の欧米では、歯科医師並みに開業医的な立場で活躍している歯科衛生士も多く見られ、日本の歯科界が必ずしも世界の最先端に位置しているわけではありません。今後、日本の歯科医療がグローバルな視点からレベルアップを図るためには、多職種が連携するチーム医療にも参画できる高度な専門知識と技術、患者さん目線の思いやりを併せもつ、プロとしての新たな歯科衛生士、歯科技工士が必要です。学部生の皆さんには100年以上の歴史と国内有数の附属病院をもつ本学で、4年間しっかり学びながら、共に新学部を創っていただきたいと思っています。そして医療保健学部の卒業生が将来、医療分野のトップランナー、牽引者に育ってくれることを念願しています。

 わたくしども大阪歯科大学は、歯科医療人としての志を抱く皆さんが本学で充実した学生生活を過ごし、自らを磨き、成長させ、これからの社会の期待に応える真の医療人として活躍されることを心から願っています。