大阪歯科大学附属病院

顎関節外来について

現代人の多くが、口を開閉する時に、顎に何かしらの違和感をもっていると言われています。この顎関節の異常は、顎関節の痛み、口を開けると音がする、また口を開けずらいなどさまざまな症状として現れます。また、その影響で頭痛や肩こり、めまい、耳鳴りなどを引き起こすこともあります。「顎関節外来」では、MRI検査に基づき、患者様の症状を的確に診断し、適切な治療を行います。

症状

顎関節に痛みがある、口の開閉時に音がする、口を開けづらい

治療法

薬物療法(消炎鎮痛薬)、アプライアンス療法、理学療法、パンピングマニピュレーション、手術

検 査

MRI検査、X線検査、顎機能検査

担当科

口腔外科 本館4階 (TEL)06-6910-1076

診療日

月曜日~金曜日(午前8:45~11:30、午後1:30~3:00)

料 金 「保険診療」 

顎関節症とは

ヒト顎関節正常解剖像

顎関節症とは、顎の関節やその周囲の組織に現れる痛みや障害の総称で、①顎が痛い(顎関節痛)、②顎関節に変な音がする、③口が開かないなどの症状が見られます。顎関節は、物を食べたり話したり口の開閉を行う関節ですが、実際動いているのは下顎だけで上顎は動きません。この下顎骨と側頭骨という2つの骨と、その間の関節円板という軟組織から構成されているのが顎関節です。実は、顎関節症の原因はまだ完全には解明されていません。しかし、この関節円板のズレが多くの場合、顎の痛みや音の原因となっています。

関節円板が通常の位置からズレると、口が開けづらくなりますが、口を開けたときにズレが戻る場合は関節音が生じ、ズレがもどらない場合は口が開けられなかったり、顎関節に痛みを感じたりします。しかし、顎関節症の多くは、常時痛みがあるわけではないので、痛みがなくなるとそのまま放置されがちです。ところが、関節円板は徐々に前方にズレていて、突然、口が開けられなくなることもあります。また、関節円板が変形していて元に戻らなくなることもあります。

顎関節症の原因

顎関節症の原因はまだ特定されておらず、今のところさまざまな要因が重なった結果、発症すると考えられています。顎関節症を発症させる要因としては次のことが考えられます。

①精神的ストレス
精神的ストレスによる噛み締め行為は、顎関節にも強い負荷をかけている。睡眠時の強い噛み締め行為が「歯ぎしり」と呼ばれるもので、顎関節の筋肉に慢性的な疲労を与えます。

②噛み合わせ
噛み合わせが悪いと顎の動きが変になり、顎関節に負担がかかり、円板がズレる可能性も高い。

③骨格と食生活
現代人は、顎が小さくなっています。顎の発達が悪いと顎関節への負担も大きいと考えられます。また、食生活において柔らかいものが多くなり、顎の発育程度が低くなっているといえます。

④性格
神経質な性格の人は、精神的ストレスをためやすく、顎関節症のリスクが高いといえます。また、我慢強い人も無意識のうちにストレスを蓄積させていることが多いといえます。

⑤動作や癖
頬杖、俯せ寝、偏った側だけで噛む習慣、管楽器の演奏なども顎関節症のきっかけとなることがあります。

顎関節症の治療

①アプライアンス療法
鎮痛剤を処方し、顎関節の炎症を抑えるとともに、透明の樹脂でできたスプリントと呼ばれるマウスピース状の装置を着ける治療法。噛み合わせを調整しながら、関節円板を元の位置に戻したり、噛み締め時の顎関節の負担を軽減したりできる。

②理学療法
筋肉の電気的マッサージ(マイオモニター療法)や温湿布により血行を良くする方法。

③パンピングマニュピレーション
関節円板のズレがひどい場合は、関節腔内に局所麻酔をして、徒手的に関節円板のズレを直すことを試みます。

④関節腔内洗浄療法
炎症がひどいときは、点滴注射で関節の中を洗浄します。

⑤外科的手術
関節円板が癒着し、関節の中で動かなくなった場合は、入院して全身麻酔で顎関節を開放する手術が適用されることもあります。癒着の程度によっては、内視鏡による手術が適用される場合もあります。

下顎用アプライアンス

アプライアンス装着時

顎関節腔穿刺療法

予防と再発防止

顎関節症の予防と再発防止には、食事では奥歯に負担をかける硬いものは控える、左右バランスよく噛む、頬杖をつかない、俯せ寝をしないなど、顎に負担をかけるような生活習慣を改善することが大事です。