大阪歯科大学附属病院

口腔腫瘍外来について

口腔内に発生した悪性腫瘍(舌癌・歯肉癌等)を始めとする腫瘍性疾患の診断と治療を行います。最新の画像検査(CT・MRI)により診断し、悪性腫瘍の場合、治療は手術、放射線療法、化学療法にて行います。術後の摂食・嚥下リハビリテーションにも対応しています。

症状

口腔内の痛み・腫れ・出血・潰瘍、嚥下障害、開口障害

治療法

手術、放射線療法、化学療法

検 査

X線検査、CT、MRI、PET、血液検査、生体検査

担当科

口腔外科 本館4階 (TEL)06-6910-1076

診療日 月曜日~金曜日(午前8:45~11:30、午後1:30~2:30) 
料 金 「保険診療」 

口腔腫瘍とは

口腔内に発生する腫瘍には、良性のもの、悪性のもの(口腔がん)のほかに口腔前癌病変、口腔前癌状態といわれる病態もあります。

①良性腫瘍

良性腫瘍には、顎骨にできる歯原性腫瘍とそれ以外の非歯原性腫瘍があります。良性腫瘍であっても、徐々に増大し周囲組織を圧迫しますので、摘出手術等の治療が必要となります。
 

  • 歯原性腫瘍・・・・・・・・エナメル上皮腫(図1a,b)、歯牙腫、角化嚢、胞性歯原性腫瘍、セメント芽細胞腫など
  • 非歯原性腫瘍・・・・・・血管腫、リンパ管腫、線維腫、乳頭腫、多形腺腫など

図1a エナ メル上皮腫

図1b 同症例のX線像

②悪性腫瘍

口の中にできる悪性腫瘍は、一般に口腔がんと呼ばれ、癌腫と肉腫に分類されます。口腔がんは口の中のあらゆる部位に発生し、また進行すると首のリンパ節等へ転移します。
 

  • 癌 腫・・・・・・・扁平上皮癌・腺系癌(部位別では舌癌(図2)・歯肉癌(図3)・口底癌など)
  • 肉 腫・・・・・・・骨肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫など

*口腔がんの約90%は扁平上皮癌で、部位別では舌癌が最も多く、次いで歯肉癌の順です。肉腫は稀です。

図2 舌 癌

図3 歯肉癌

③口腔前癌病変

図4 白板症

口腔の扁平上皮癌と関係が深い病変を口腔前癌病変といい、白板症(はくばんしょう)と紅板症(こうばんしょう)があります。白板症は粘膜が白い板状(図4)となりこすっても消えず、紅板症はビロード状の赤っぽい病変です。いずれも癌になる可能性があり、病状により切除等の治療が必要となります。

④口腔前癌状態

頬粘膜に多発する白いレース状の扁平苔癬(へんぺいたいせん)やPlummer-Vinson症候群の萎縮粘膜などは口腔前癌状態といい、ときに癌化することがあり注意が必要です。

口腔癌の原因と予防ならびに早期発見

口腔癌の発症原因は、現在のところ他の癌と同様に不明ですが、誘因として喫煙、飲酒のほかに義歯や補填物、虫歯などによる持続的な口腔粘膜への刺激が要因のひとつと考えられています。癌を予防するには、禁煙や飲酒の度をこさないようにし、口の中を清潔に保つことです。また、虫歯の治療は早く受け、合わない義歯は修理することが大切です。一方、口腔癌の早期発見のためには、1週間以上治らない口内炎やしこり、腫れがあればすぐ歯科を受診してください。さらに、首のグリグリにも注意しましょう。何よりも、定期的な歯科検診が重要です。

口腔癌の診断

口腔癌は、他の臓器の癌と違い、直接口の中を診察できるため、比較的簡単に診断できます。病歴・症状をお聞きしたあと、視診により口の中の状態(表面形態・色彩など)、触診により病変部分の硬さ、拡がりを調べます。診断を確定するため、病変組織の一部を採取し、顕微鏡で病理学的に検査(生体検査)します。さらに、X線写真、CT、MRI、PETなどの画像検査や核医学検査により病変の拡がり、進行度を診断します。

口腔癌の治療

口は、飲食する、話すなどの生活に欠かせない機能を有するとともに、顔の一部として審美的にも重要な部分であり、その人のQOL(生活の質)に深くかかわっています。したがって、治療にあたっては、癌の治癒はもちろんですが、治療後の口腔の機能・審美面についても十分考慮することが重要です。
口腔癌の治療法としては、他の臓器の癌と同様に、手術、放射線療法、化学療法の3つがあります。一般的には、初期の癌は手術による治療を行います。進行した癌では、手術、放射線療法および化学療法(抗癌剤)を組み合わせた治療を行います。
少しでも口の中に不安な症状があれば、ぜひ私たちの「口腔腫瘍外来」を受診してください。