大阪歯科大学附属病院

小児歯科について

小児歯科では、むし歯・歯周病の予防・治療、歯並びの治療、埋伏過剰歯や嚢胞の外科処置、歯・口のケガの治療、口腔機能発達不全症の摂食機能指導などを行っています。哺乳期から永久歯が生え揃うまで予想外の異常や疾病が生じる可能性があり、それらを早期に発見、治療するため、当科では0歳から18歳頃まで定期的口腔管理を実施し、将来の健康寿命の延伸を目標として診療を行っています。


  • 学会施設認定
    ・日本小児歯科学会研修施設
    ・日本障害者歯科学会臨床経験施設

主な対象疾患

  • むし歯(エナメル質初期むし歯を含む)
  • 歯ぐきの病気
  • 歯並び
  • 歯・口のケガ
  • 外科処置の必要な口腔疾患(過剰歯、含歯性嚢胞、粘液嚢胞など)
  • (数、形、色、生える時期などの)歯の異常
  • 口腔機能発達不全症(食べかたが未熟な小児)

科長紹介

有田 憲司

アリタ ケンジ

科長メッセージ

当小児歯科は、歯と口が生涯健康であることを願って、むし歯・歯周病の予防・治療、歯並びの治療、埋伏過剰歯や嚢胞の外科処置、歯・口のケガの治療、口腔機能発達不全症の摂食機能指導など、子どもに生じたすべての口腔の異常・疾患を対象として診療を行っています。また、長期にわたる口腔健康管理を強力に実践して、成人になっても歯科受診する習慣を育てることに注力しています。

専門・資格

・日本小児歯科学会専門医・指導医
・日本障害者歯科学会認定医・指導医
・日本外傷歯学会認定医・指導医
・日本歯科理工学会 Dental Materials Senior Advisor

診療の特色

1. 初期むし歯の管理

口の中では、常に、食物や飲み物を摂取すると酸性になり(歯の脱灰)、食べ終わると唾液により中性に戻る(歯の再石灰化)という、脱灰と再石灰化の現象が繰り返されています。むし歯は、歯の表層(エナメル質)の脱灰から始まる歯の実質欠損です。むし歯が進行して歯に目で見える穴を「う窩」と呼び、この状態になると自然治癒は生じないため削って詰める治療が必要です。象牙質までむし歯が進行すると痛みなどの症状がありますが、初期むし歯は無症状で目にもわかりにくいため、歯科医院で定期的にチェックを受け初期むし歯を早期に発見して、フッ化物の応用などの再石灰化による初期むし歯の自然治癒や、むし歯の重症化予防を行うことが有効です。乳歯でも永久歯でも歯が生えて数年が、歯の質が弱いためむし歯に最もなりやすい時期です。当科では、新たなう窩を発生させないように3か月毎の検診を実施し、専門家による歯の清掃と高濃度フッ化物塗布、ならびに食生活習慣を中心とした生活指導を行っています。う窩の無い時期からの歯科受診をお勧めします。

2. 乳前歯のむし歯治療

乳歯であっても、う窩のあるむし歯は永久歯のむし歯の原因や歯並びの不正の原因となるため治療すべきです。とくに、乳前歯のむし歯は友達にも分かるため、乳歯のむし歯が減少した現在の子どもには心理的発育面からも可能ならきれいに直してあげるべきと考え、修復処置を行っています。

3. 不安度の高い小児に対する歯を削らず短時間で終わる治療法(非侵襲的修復治療: ART)

近年、グラスアイオノマーセメント(GIC)でう窩を密閉すれば細菌は激減し、軟化した歯質は再石灰化することが認められており、当科では、歯科治療が怖くて泣き叫ぶ小児に対しては、歯を削らずに手用器具で少しう窩の汚れを掻き取るだけで、多数歯のう窩をGICで閉鎖する方法を行っています。後は、歯科受診に慣れるまでブラッシングや食事指導およびフッ化物塗布を中心に定期検診を行い、不安度が低下した時点で、最終的なむし歯治療を行います。歯医者が嫌いにならよう配慮した診療を行っています。

多くの重症な象牙質むし歯

手用器具

数分間で多数のむし歯にGICを詰め終了

4. 歯のケガの対応

歯のケガは小児期に多く、乳歯では1~3歳、永久歯では7~9歳に最も多く発生します。症状は、歯が欠ける場合(破折)と歯の位置や長さが変わる場合(脱臼)、そして抜けてしまう場合(脱落)があり、それぞれ治療法が異なります。歯をケガしたら、なるべく早く受診することをお勧めします。その時、破折の場合は「歯のかけら」があれば持参し、脱落の場合は「抜けた歯を牛乳に浸して」持参してください。

永久歯の歯冠破折例と歯のかけら

乳歯の脱臼例

永久歯の脱落例

5. 小児の外科処置

1) 過剰歯の摘出

口腔内写真では異常に気付くのが困難ですが,エックス線写真で2本の過剰歯(白と黒の矢印)を認めます。永久歯が生えてくるときに邪魔になることがあるので,適切な時期に抜歯が必要です。当科では、通常、局所麻酔下で行いますが、全身麻酔下で行うこともあります。

2) 粘液嚢胞の摘出

下唇に粘膜が盛り上がったような豊隆ができることがあります。粘液嚢胞といい、唇にある唾液腺が詰まり唾液が貯留したものです。局所麻酔下に手術し取り除きます。

6. 歯並びへの対応

永久歯列において健全な歯列・咬合が期待できるよう、咬合発育の妨げとなる因子を早期に発見し、乳歯列期から咬合管理を行い誘導していくことが重要です。

1) 乳歯の受け口(反対咬合)

当科では、乳歯の受け口は可能なら治療する方が良いと考えており、3~5歳頃簡単な装置により治療を開始しています。

受け口(治療前)

取り外し可能型装置

治療後

2) 乳歯早期喪失

早期に乳歯を虫歯等の原因で喪失した場合、そのまま放置するとすでに生えている永久歯が傾いたり、未萌出の永久歯の生える場所が失われたりします。そのようなことを防ぐために、隙間を保つ保隙装置を装着し、正常な生え代わりを誘導します。(リンガルアーチ、バンドループ他)

リンガルアーチ 

バンドループ

3) 乳歯の萌出位置異常(低位乳歯)

乳歯が途中から生えてこないことがあります(低位乳歯という)。低位乳歯を放置すると、永久歯の歯並びなどに異常が起こるため、抜歯しなければなりません。抜歯する前に、まず奥の歯を移動し摘出するためのスペースを作る必要がある場合が多くあります。

低位乳歯

抜歯した低位乳歯

7. ダウン症児などの摂食嚥下機能の発達支援

ダウン症児の多くは筋の低緊張のため口腔機能の発育が遅延し、離乳食を食べない、丸呑みや舌を突出して食べるなど、摂食嚥下障害が見られます。また、哺乳力が弱く、鼻からのチューブ栄養や胃瘻のダウン症児もおられます。当科では、その様な方に対して摂食嚥下機能の発達指導を行っています。できるだけ低年齢児から介入すると、より良好な成果が得られることが分かっていますので、離乳開始時期からの受診をお奨めいたします。

最先端医療の取り組み

1. 新しいむし歯の検査法

1) 口腔内清掃状態測定器(カリスクリーン)

口腔内の清掃状態を数値化できる検査法を導入しました。わずか約75秒で結果が出ます。

カリスクリーン

2) 光学式う蝕検査装置(ダイアグノデント ペン)

肉眼での評価が困難な初期むし歯をレーザー光で可視化できる小型器械を導入しました。定期的に測定することで口の中の変化を客観的数値で記録できます。

ダイアグノデント ペン

2. 乳歯を失ったときの接着ブリッジによる治療法

歯のケガで乳前歯を失った場合,これまでは子どもの入れ歯を入れました。本法は、人工歯(または脱落した乳歯)を特殊ポリエチレンファイバー製強化リボンを用いて隣の歯に接着する新しい治療法です。

ケガで歯を失った

強化リボンのついた人工歯

治療後の口腔内写真とエックス線画像

3. 双生歯(歯の異常)の過剰歯分離摘出術

まれですが、正常な前歯と過剰歯がくっついた巨大な歯(双生歯という)が生えることがあります。見た目も悪く、歯並びを大きく乱す原因となるため、従来は抜歯することが一般的でした。当科では、抜歯せず過剰歯の部分だけ切除して除去し、大切な正常な前歯を残す方法を行っています。

双生歯の写真とエックス線写真

過剰歯部分の切断中と摘出後の歯 

治療終了後

初診担当医情報

初診担当医表(PDF)

お問い合わせ

連絡先 06-6910-1091
場所 本館11階