唇顎口蓋裂外来について
口唇裂・口蓋裂の患者様に対し、口腔外科(手術)、矯正歯科(咬合管理)、小児歯科(発達管理)などの専門医がチームを組み、連携して治療を行います。
症状 |
口唇裂・口蓋裂による口唇の変形、不正咬合、治療後の瘢痕 |
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治療法 |
口唇形成手術、口蓋形成手術、咬合調整治療 |
検 査 |
X線検査、咬合検査 |
担当科 |
矯正歯科 本館10階 (TEL)06-6910-1089 |
診療日 | 月曜日~金曜日(午前8:45~11:30、午後1:30~3:00) |
料 金 | 「保険診療」 |
唇顎口蓋裂とは
顔や口蓋は胎生期の2~3ヵ月頃に左右から癒合して形成されます。この時期に、胎児に何らかの力が加わったり、あるいは母体の栄養状態・ストレス・薬物の使用などの要因により癒合がうまくいかないと、その部位に裂け目ができると考えられています。しかし、はっきりと原因が特定されているわけではありません。その結果、上唇が割れた「口唇裂」や口蓋が裂けて鼻腔と口腔がつながった状態の「口蓋裂」が発生します。また、歯ぐきが割れている状態を「顎裂」といいます。これらは、合併して発生することも多く、口唇裂、口蓋裂、顎裂の合併を「唇顎口蓋裂」といいます。こうした異常は、日本では500~600人に1人の割合で発生するといわれており、体表面に現れる先天的な疾患としては比較的頻度が高いといえます。
唇顎口蓋裂の症状
顔の中央部分の障害であるため、審美的な要素が大きいことは言うまでもありませんが、口という食べたり、話したりする機能において哺乳・摂食障害や発音障害が見られます。また、手足形態異常や心臓疾患を合併している場合もあります。さらに、成長とともに歯並びやかみ合わせの問題も生じやすくなります。
唇顎口蓋裂の治療
出生から成人まで長期的な治療が必要です。治療スケジュールを組み、口腔外科、小児歯科、矯正歯科によるチーム医療を行います。
①口唇裂の治療
口唇裂の形成手術は、生後3~4ヵ月頃に行います。
②口蓋裂の治療
口蓋裂の形成手術は、生後1歳半頃に行います。それまで、ホッツプレートと呼ばれる口蓋床を上顎に装着し、授乳と顎の発育・矯正を促します。
③乳歯・永久歯列期の治療
虫歯の予防を予防歯科が、虫歯治療、歯の生えかわりの管理などを小児歯科が、歯並びの改善を矯正歯科が行います。
○育成医療について
18歳未満の口唇裂口蓋裂の患者さんは、「育成医療」の適応を受けることができます。1割の自己負担で、手術や矯正治療が受けられます。担当窓口でご相談ください。