大阪歯科大学附属病院

2019.08.30ご来院の方

吉川一志・診療主任が朝日新聞で高校野球とマウスガードについて解説しました

大阪履正社高校の初優勝で幕を閉じた今年の高校野球・夏の甲子園。昨年は金足農業の吉田輝星投手(現日本ハム)の口に輝く、歯を守る器具「マウスガード」が話題になりましたが、今夏も強豪校の選手たちが白いガードを着けて躍動する場面が多く見られました。

8月14日の朝日新聞夕刊では、『マウスガード 球児にヒット』との見出しで、マウスガードが1面トップに大きく取り上げられました。その中で、当院総合診療室の吉川一志・診療主任(大阪歯科大学歯科保存学講座准教授)が解説を寄せていましたが、みなさまお読みになりましたでしょうか。
吉川主任は、日本高校野球連盟と大阪歯科大学が連携して「歯のけが防止に効果」のあるマウスガードの普及を支えてきた経緯を説明しています。
始まりは、日本高野連と本学が2004~2007年度に実施したマウスガードの共同研究。全日本選抜の高校球児72人にガードを着けてもらい、使用感を聞き取りました。8割が「これからも使いたい」と答え、この知見を踏まえて、2010年に高校野球でマウスガードが解禁されることに。
記事ではさらに、高野連と本学などが今春、選抜大会の出場校32校に初めてマウスガードに関するアンケートを行ったことを紹介。14校がガードを使用している部員が「いる」と回答し、7校は「以前はいた」と答えたそうです。
マウスガードの競技力を向上させる効果について、吉川先生は「左右のかみ合わせが良くなれば体幹のバランスを向上させる可能性はある」ものの、「野球では知見が少なく何とも言えない」と述べています。
また、入手経路については、「業者の売り込みなど」(11校)が「歯科医が歯型とかみ合わせをとってカスタムメイド」(6校)を上回るという、あまり好ましくない結果が。「質が悪いとすぐ外れる恐れがあり、かみ合わせにも良くないし、あごの関節が悪くなる可能性もあるので歯科医に依頼してつくってほしいです」。吉川先生のことばで記事は結ばれています。

いまや高校野球に定着しつつあるマウスガード。自身も野球少年だった吉川先生は「すべての選手たちがマウスガードをつけて、けがを恐れず全力でプレーできるようになればいいですね」と今後を展望しています。

►当院でのマウスガード作製をご希望の方は、まずは地域医療連携室までご相談ください(06-6910-1537)。

►共同研究の詳しい内容については、こちらをご一読ください。
『全日本高校野球選抜チームに対するスポーツマウスガードの作製とアンケート調査』