大阪歯科大学附属病院

2019.06.18ご来院の方

第21回健康セミナーレポート

4月12日、2019年度第1回健康セミナーが開かれ、当院歯内治療科の西川郁夫診療主任が「こんなに進んでいる“歯の根の治療”」と題してお話ししました。

“歯の根”(歯根)とは、歯ぐき(歯肉)に覆われたあごの骨に埋まっている部分のこと。“歯の根の治療”(歯内治療)は、細菌に感染した歯の神経(歯髄)を取り除くなどして根(根管)の中をお掃除することをいいます。目には見えないけれど、歯の大切な基礎工事ともいわれる治療で、虫歯の代表的な治療法の一つです。①歯に穴を開ける、②根の中をきれいにする、③根の中に薬を詰める、④仮のフタをする、までが根の治療にあたります。その後、歯に土台を作り、冠を被せて治療完了。

根の数や長さ、太さなどは人によってマチマチ。曲がっている根も多く、「根の治療は根気のいる仕事」と西川先生。治療費用やニッケルチタンファイル等最新器械を用いた治療法なども紹介。「根の治療は時間がかかるが、歯を残すためには避けて通れない。しっかり治療をすれば歯の寿命は延びます」と締めくくりました。

講演後は、参加者から、「初めて歯内治療という言葉を知った」という素朴な感想から、「ガッタパーチャとMTAの違いは?」という専門的な質問まで、いろいろ寄せられました。「治療中の自分の歯の状態が分かった。先生の話を聴いて救われた思いがした」「話を聴けて良かった。もう少し早く聴ければなお良かった」との声も聞かれました。