2019.03.22ご来院の方
障がい者歯科で取り組んでいる“歯科VR治療”が夕刊紙で紹介されました
VR(バーチャルリアリティー)を使った治療について、本学附属病院「障がい者歯科」の田中佑人先生が先ごろ「日刊ゲンダイ」で紹介されました(2019/2/1)。記事の見出しは「認知症の人にも効果あり『歯科VR』のメリット&デメリット」。 近年注目を集めている歯科VRは、歯の治療中に患者さんがVRゴーグルを装着しVRの動画に集中することで、痛みや不安、恐怖心を和らげるというもの。もともとは治療中にジッとしていられない乳児や注意欠陥・多動症の子どもを念頭に開発されたそうです。
記事では、田中先生がこれまで、17~50歳くらいの知的障がい者の患者さんや歯科恐怖症・嘔吐反射の患者さん7人にVR治療を行い、「結果は上々」であったと伝えています。知的障がい者の方の治療の場合、10秒間口を開けてもらうことも簡単でなく、全身麻酔やそれに伴う入院が必要なケースも。しかし、ある40代男性にVRによる虫歯治療を施したところ15秒以上開口状態を保てたので抜歯などの治療ができたそうです。
麻酔や入院の必要がなくなり、医療側だけでなく患者さんの負担軽減にもつながるという歯科VR。田中先生は「今後、増加が予想される認知症の患者さんの歯科治療にも有効だと思います」とコメントしています。
難点は、患者さんによってVRの装着自体が困難な場合があること。治療の際、ゴーグルが邪魔になるときもあり、ゴーグルの一層の小型化が望まれています。
「医療もテクノロジーの力を借りて発展を続けるべき」と考える田中先生にとって、VRはこれからさらに活用していきたい治療法だそう。今回の記事について、「こうした支援ツールの充実を通じて、障がい者が“治療の受けづらさ”を、医療者が“治療のしにくさ”を、それぞれ感じることのない世界の実現へと展開したい」と思いを語ってくれました。
田中先生の“これまで・今・これから”をまとめた大学広報記事「ODU MAGAZINE」を以下のURLに掲載しています。ぜひこちらも併せてご一読ください。
・ODU MAGAZINE/EPISODE:009
なお附属病院「障がい者歯科」では、年齢を問わず、脳性まひ・精神遅滞・自閉症・脳梗塞の後遺症・認知症など、さまざまな障がいのある患者さんに加え、歯科恐怖症や絞扼反射により通常の診療が困難な患者さんの治療を行っています。
一般の歯科医院では診療を受けづらいとお悩みの皆さま、一度、大阪歯科大学附属病院「障がい者歯科」で受診してみませんか。まずはお気軽に総合受付06-6910-1111(音声案内による番号は「1」を選択)までお電話ください。