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大阪歯科大学

歯の中心部「歯髄腔」の形は非常に複雑です。 その治療に必要とされる、的確な診断力と高度な技術を身につけます。

口腔治療学講座では歯内療法学について講義や実習を担当しています。歯内療法学とは、歯の中に細菌が進入することによって起こる病気を治療する学問です。歯の中には「歯髄腔」と呼ばれる神経や血管が入った空洞があります。虫歯になるとこの「歯髄腔」に細菌が入り込み、ずきずきとした虫歯の痛みがでてきます。このような場合、細菌に感染してしまった神経を取り除いてやる必要があります。放っておくと、細菌は歯の根の先から顎に進入し、骨をむしばみ、全身に回ってしまう場合があります。歯の神経が死んでしまうと、細菌を殺す作用をもった抗生物質を飲んでも、血流がないため歯の中には届きません。そこで、歯科医師が専用の器具や薬を使って、歯の中に進入した細菌を除去する治療を行います。治療を適切に行うためには、細菌の感染している状態を適切に診断する必要があります。また「歯髄腔」の形は非常に複雑であるため、神経をとる処置や、細菌を取り除く治療には高度な技術が要求されます。私たちの講座では的確な診断ができるように科学的な視点を養うこと、そして歯科医師として高度な技術が身につくように、日々の臨床と教育を実施しています。歯内療法は、患者さんの痛みを取り除き、細菌から体を守るための大切な治療であり、私たちは誇りをもって治療に取り組んでいます。

研究室のメンバーMEMBER

教授/前田 博史
  • 講師/辻 則正
  • 助教/稲本 雄之、仲間 ひとみ、池澤 遼一、宮本 綾乃、松尾 望
  • 大学院生/牛窪 基樹、橋本 正隆

学生へのメッセージMESSAGE

私は平成26年9月に大阪歯科大学に赴任してきたばかりですが、講座の雰囲気は明るく、活発です。超高齢化社会となった現在では、歯科医師が社会に果たす役割がさらに大きくなっています。高齢者は体の抵抗力が低下し、感染症を起こしやすくなります。口の中の細菌が全身の健康に大きく影響を与えることは、周知の事実です。私たちの講座は、口腔感染症に対応できるプロフェッショナルを輩出するための講座です。ぜひとも一緒に勉強し、社会に役立つ歯科医師を目指しましょう。

研究活動

口腔治療学講座では、歯内療法に関連する「細菌の研究」、「新しい治療法の開発・改良のための研究」、そして「細菌によって破壊された組織を再生させるための研究」を実施しています。

  1. 「細菌の研究」

    口の中には約600種類の細菌がいます。この中には虫歯になると歯の中に入り込み、病気を引き起こす細菌がいます。私たちは、どのような細菌が病気を引き起こす力が強いのか調べ、その細菌の性質を調べています。この研究によって将来的に細菌を取り除くための新しい治療法が開発できる可能性があります。

  2. 「新しい治療法の開発・改良」

    工学技術の発達によって、歯科で使用する器具は進歩・改良されています。私たちは、治療の際に患者さんの負担がなるべく少なくなるように、効率的に神経を取る処置や、歯の中の細菌が除去できるように、新しい治療法の開発と導入に努力しています。

  3. 「再生医療に関する研究」

    歯の中の細菌を取り除くだけでは、壊れた組織がもとにもどらない場合があります。私たちの研究室では細菌が進入して壊れてしまった顎の骨が再生できるように、新しい薬や材料の研究を実施しています。