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大阪歯科大学

明日の歯科医学は今日の生理学から

お腹が空いたり、暑いと汗が出たり、運動したら心臓がドキドキします。失恋した夜は涙が止まりません。それでもいつかは眠くなります。そのようなとき、私たちの体の中ではいったい何が起こっているのでしょうか?
生きている仕組み、働き、理(ことわり)はすべて生理なのです。体の基本的な機能と仕組みを理解することは、より健康な体づくり、病気の理解、治療、予防につながります。その基礎となる科学が生理学です。
歯科大学だからといって、口に関係した口腔生理学だけを学ぶわけではありません。口腔の仕組みだけが体から独立しているのではなく、口腔も体の一部で全身との関わりはとても深いのです。そのため、授業ではまず全身の仕組みである「生理学」を学んだ後に「口腔生理学」を学びます。そうすることで、全身と口腔の関係をより詳しく理解することができます。

研究室のメンバーMEMBER

教授/合田 征司
  • 講師/井上 博、平野 俊一朗 、藤本 哲也

学生へのメッセージMESSAGE

生理学は私たちが生きている体の仕組みを研究する学問です。一見、生理学は難しそうに感じますが、私たちの日常生活に最も身近な生命科学です。“生命が働いている仕組み”を解明する生理学は、我々が生きている意味に迫る科学です。生理学を知ることは、生命の尊厳を考えることにもつながるはずです。

研究活動

歯科医学にとって極めて重要なテーマである痛みや唾液の生理的機能の研究、歯や骨の基となる細胞の活性化、神経系の移植などの再生医学に関する研究、さらに環境ホルモンの影響に関する研究など多岐にわたっています。

  1. 唾液は口の機能(咀嚼・嚥下・発音など)を正常に保つために大変重要です。ところが、加齢に伴う薬の多種服用やストレス社会では、その量と質が低下するので様々な障害が生じます。唾液腺の機能低下の原因を解明することによって、唾液分泌機能が改善されます。また、唾液は血液成分を多種含んでおり、全身疾患によって変化することがわかってきました。そこで、唾液が血液検査の代わりに活用できる可能性を検討しています。
  2. NK(ナチュラルキラー)細胞は血液中に存在する血球細胞の一つです。NK細胞は体の中をパトロールしており、がん細胞やウイルスに感染した細胞を発見したら、がん細胞などを殺してしまいます。歯周病は成人の80%以上がかかっているとされる口腔感染症です。NK細胞を活性化させる仕組みを研究することは、歯周病などの原因究明に大いにつながります。
  3. かつては一旦損傷された神経が再生することはないと信じられていましたが、現在では他の組織と同じように再生能をもつことが分かってきました。また神経細胞そのものやiPS細胞のような万能細胞を移植することによって、損傷した神経機能を取り戻す試みもあります。未熟な神経細胞を移植することによって神経の損傷や疾患によって失われた脳や神経の働きを回復させる研究を行っています。また、生体に入れた人工の構造物、たとえば入れ歯にも感覚をもたせることができないかを検討中です。超高齢社会においても皆が元気で自立した生活を送れるような未来医療の実現を目指しています。
  4. 歯科材料に使われるレジンとも関係が深いビスフェノールAはステロイドホルモン類似作用が知られています。極微量の環境ホルモン曝露の影響について、ニューロトキシコロジー(神経毒性学)の観点から情動・記憶・学習・雌雄特性などの行動評価を、ラットを用いて研究しています。