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大阪歯科大学

はじめに

私立大学の存在意義は、建学の精神・理念にあり、それに基づく独特の学風・校風が自主性・自律性として尊重され、個性豊かな教育・研究を行う機関として発展してきました。

私立大学は、社会の発展と安定に不可欠な極めて厚い中間層の形成に大きく寄与してきました。また、大学は地域社会において高等教育へのアクセスの機会均等と知的基盤としての役割も果たしてきました。

今後とも、学校法人大阪歯科大学及びその設置する大阪歯科大学は、建学の精神に基づく、大学としての使命を果たしていくために、また、教職員はその使命を具現する存在であるために、日本私立大学協会の制定した「私立大学版ガバナンス・コード」を規範にし、適切なガバナンスを確保して、時代の変化に対応した大学づくりを進めていきます。

また、中期計画を策定・公表し、学生をはじめ様々なステークホルダーに対し、大学の教育、研究及び社会貢献の機能を最大化し、価値の向上を目指していきます。

第1章
私立大学の自主性・自律性(特色ある運営)の尊重

1-1 建学の精神

(1)建学の精神・理念と人材育成

大阪歯科大学の建学の精神・理念は次のとおりです。
「歯科医学・医療に関する専門知識、技術の習得と共に、思いやりの心を涵養し、自ら選んだ道に深い使命感をもって、社会に対する奉仕的人生観を体得して、「博愛」と「公益」に努める。」

(2)建学の精神・理念に基づく人材像

建学の精神・理念に基づく人材像は次のとおりです。
100年の伝統を生かしScience, Art & Heartを兼ね備えた真の医療人を育成する。

1-2 教育と研究の目的(私立大学の使命)

(1)建学の精神・理念に基づく教育目的等

本学の建学の精神(理念)に基づく、教育目的及び研究目的は次のとおりです。

  • 大学の教育目的及び研究目的
    本学は、建学の精神及び「教育基本法の規定する教育の一般的な目的と方針とに則り、歯学に関する学術を中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の領野における学理技術を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させ、もって文化の創造と発展に貢献することを目的とする。」としています。
  • 学部の教育目的及び研究目的

    1)歯学部歯学科
    「歯科医師として必要な歯学に関する学術を中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の領野における学理技術を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させ、もって文化の創造と発展に貢献するとともに、本学の建学の精神である博愛と公益を具現できる人材の育成を目的とする。」としています。

    2)医療保健学部口腔保健学科
    「歯科衛生士としての技能に優れるだけでなく、口腔の健康に寄与する意欲を持ち、口腔から全身の健康の向上を図る方略を勘案し、今後の歯科医療の発展に貢献し、もって本学の建学の精神である博愛と公益を具現できる人材の育成を目的とする。」としています。

    3)医療保健学部口腔工学科
    「歯科技工士としての技能に優れるだけでなく、口腔の健康に寄与する意欲を持ち、医療、福祉及び工学の知識をもとに新たな歯科医療技術に取り組み、今後の歯科医療の発展に貢献し、もって本学の建学の精神である博愛と公益を具現できる人材の育成を目的とする。」としています。

  • 大学院の教育目的及び研究目的
    本大学院は、「学生に歯学・口腔科学に関する学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究めて文化の進展に寄与することを目的」としています。

    1)歯学研究科博士課程
    「独創的研究によって、従来の学術水準に新しい知見を加え、文化の進展に寄与するとともに、研究者養成を主眼とし、専攻分野について研究者として自立して研究活動を行うのに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。」としています。

    2)医療保健学研究科口腔科学専攻(修士課程)
    「高度な専門的知識と技能を持つとともに歯科医療の変革に応じられる歯科医療人を養成できる人材並びに歯科衛生士や歯科技工士の専門性を生かした研究を通じて歯科医療の発展に貢献できる人材を養成して歯科医療の発展と人々の健康の増進に寄与することを目的とする。」としています。

    3)医療保健学研究科口腔科学専攻博士課程(後期)
    「医療保健、特に口腔科学に関連する教育者と研究者を指導し、教員や研究者の人材管理と運営ができる人材を養成して、歯科医療の教育と研究を発展させるとともに、人々の健康の増進に寄与することを目的とする。」としています。

(2)中期的(原則として5年以上)な計画の策定と実現に必要な取組みについて

  • 安定した経営を行うために、認証評価を踏まえて中期的な学内外の環境変化の予測に基づく、適切な中期計画の検討・策定をします。
  • 中期計画の進捗状況、財務状況については、中期計画管理委員会で進捗状況を管理把握し、その結果を内外に公表するなど、透明性ある法人運営・大学運営に努めます。
  • 財政的な裏付けのある中期計画の実現のために、外部理事を含めた経営陣全体や、経営陣を支えるスタッフの経営能力を高めていきます。
  • 改革のために、教職協働の観点からも事務職員の人材養成・確保など事務職員の役割を一層重視します。
  • 経営陣と教職員が中期計画を共有し、教職員からも改革の実現に際して積極的な提案を受けるなど法人全体の取組みを徹底します。

(3)私立大学の社会的責任等

  • 自主的に運営基盤の強化を図るとともに、本学の教育の質の向上及び経営の透明性の確保を図るよう努めます。
  • 学生を最優先に考え、文部科学省、日本私立学校振興・共済事業団、教職員、学生父母、卒業生、地域社会構成員等他のステークホルダーとの関係を保ち、公共性・地域貢献等を念頭に学校法人経営を進めます。
  • 私立大学の目的達成のためには、多様性への対応が不可欠との認識に立ち、男女共同参画社会への対応や、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27年2月24日閣議決定)をはじめ、多様性への対応を実施します。

第2章
安定性・継続性(学校法人運営の基本)

私立大学は、社会から、教育・研究及び成果の社会への還元という公的使命を負託されており、社会に対して説明責任を負っています。従って、その設置者である学校法人は、経営を強化しその安定性と継続性を図り、大学の価値の向上を実現し、その役割・責務を適切に果たします。学校法人は、このような役割・責務を果たすため、自律的なガバナンスに関する基本的な考え方及び仕組みを構築します。

2-1 理事会

(1)理事会の役割

  • 意思決定の議決機関としての役割
    ア. 理事会は、学校法人の経営強化を念頭におき業務を決し、理事の職務執行を監督します。
  • 理事会の議決事項の明確化等
    ア. 理事会において議決する学校法人における重要事項を寄附行為等に明示します。
    イ. 理事会において議決された事項は、議事録に記録し、保管します。
    ウ. 理事会へ業務執行者から適切な報告がなされるよう留意します。
  • 理事及び大学運営責任者の業務執行の監督
    ア. 理事会は、理事及び設置大学の運営責任者(学長、副学長及び学部長等)に対する実効性の高い監督を行うことを主要な役割・責務の一つと捉え、適切に大学の業務等の評価を行い、その評価を業務改善に活かします。
    イ. 理事会は、適時かつ正確な情報共有が行われるよう監督を行うとともに、内部統制やリスク管理体制を適切に整備します。
  • 学長への権限委任
    ア. 学長が任務を果たすことができるようにするために、理事会の権限の一部を学長に委任しています。
    イ. 学長が副学長を置くなど、各々担当事務を分担させ、管理する体制としています。
    ウ. 各々の所掌する校務及び所属教職員の範囲については、可能な限り規程整備等による可視化を図ります。
  • 実効性のある開催
    ア. 理事会は、年間の開催計画を策定し、予想される審議事項については事前に決定して全理事で共有します。
    イ. 審議に必要な時間は十分に確保します。

2-2 理事

(1)理事の選任

  • 学校法人大阪歯科大学役員の定数は、次の通りとしています。
    ア. 理事7名以上11名以内
    イ. 監事2名
  • 大阪歯科大学学長は、その在職中理事となります。
  • 学長たる理事以外の理事の定数は次のとおりです。
    教授会において教授中より3名
    評議員会において教授以外の評議員中より2名
    学識経験者又は功労者のうちから1名以上5名以内

(2)理事の責務(役割・職務・監督責任)の明確化

  • 理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理します。
  • 理事長を補佐する理事として、常務理事を置き、理事長の代理権限順位も明確に定めます。
  • 理事長及び理事の解任については、寄附行為及び同施行細則に明確に定めます。
  • 理事は、法令及び寄附行為を遵守し、学校法人のため忠実にその職務を行います。
  • 理事は、善管注意義務及び第三者に対する賠償責任義務を負います。
  • 理事は、学校法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合は、これを理事長及び監事に報告します。
  • 学校法人と理事との利益が相反する事項については、理事は代表権を有しません。また、利益相反取引を行おうとするときは、理事会において当該取引について事実を開示し、承認を受ける必要があります。

(3)学内理事の役割

  • 教職員である理事は、知識・経験・能力を活かし、教育・研究、経営面について、大学の持続的な成長と中長期的な安定経営のため適切な業務執行を推進します。
  • 教職員として理事となる者については、教職員としての業務量などに配慮しつつ、理事としての業務を遂行します。

(4)外部理事の役割

  • 複数名の外部理事(私立学校法第38条第5項に該当する理事)を選任します。
  • 外部理事は、学校法人の経営力・マネジメントの強化のため、理事会において様々な視点から意見を述べ、理事会の議論の活発化に大きく寄与し、理事としての業務を遂行します。
  • 外部理事には、審議事項に関する情報について理事会開催の事前・事後のサポートを十分に行います。

(5)理事への研修機会の提供と充実

全理事(外部理事を含む)に対し、十分な研修機会を提供し、その内容の充実に努めます。

2-3 監事

(1)監事の責務(役割・職務範囲)について

  • 監事は、善管注意義務及び第三者に対する賠償責任義務を負います。
  • 監事は、その責務を果たすため、理事会その他の重要会議に出席することができます。
  • 監事は、学校法人の業務、財産の状況及び理事の業務執行の状況を監査します。
  • 監事は、学校法人の業務等に関し不正の行為、法令違反、寄附行為に違反する重大な事実があることを発見した場合、所轄庁に報告し、又は理事会・評議員会へ報告します。さらに、理事会・評議員会の招集を請求できるものとします。
  • 監事は、理事の行為により学校法人に著しい損害が生じるおそれがあるときは、当該理事に対し当該行為をやめることを請求できます。

(2)監事の選任

  • 監事の独立性を確保する観点を重視し、理事長は評議員会の同意を得て理事会の審議を経て、監事を選任します。
  • 監事は2名置くこととします。
  • 監事の業務の継続性が保たれるよう、監事相互の就任・退任時期について十分考慮します。

(3)監事監査基準

  • 監査機能の強化のため、学校法人大阪歯科大学監事監査規程(以下「監事監査規程」という。)を作成します。
  • 監事は、監査計画を定め、関係者に通知します。
  • 監事は、監事監査規程に基づき監査を実施し、監査結果を具体的に記載した監査報告書を作成し、理事会及び評議員会に報告し、これを公表します。

(4)監事業務を支援するための体制整備

  • 監事、公認会計士及び内部監査室の三者による監査結果について、意見を交換し監事監査の機能の充実を図ります。
  • 監事に対し、十分な研修機会を提供し、その研修内容の充実に努めます。
  • 学校法人は、監事に対し、審議事項に関する情報について理事会開催の事前・事後のサポートを十分に行うための監事サポート体制を整えます。
  • 学校法人大阪歯科大学内部監査規程を制定の上、内部監査室を設置し、監事の業務を支援するための体制整備に努めます。

(5)常勤監事の設置

監事の監査機能の充実、向上のため、常勤監事を設置するよう努めます。

2-4 評議員会

(1)諮問機関としての役割

次に掲げる事項について、理事長は、評議員会に対し、あらかじめ、評議員会の意見を聞きます。なお、諮問事項に関して特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができません。

  • 教育及び法人経営に関する状況
  • 毎年度収支予算及び事業計画に関する事項
  • 学長の選任に関する事項
  • 事業に関する中期計画
  • 役員に対する報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう。)の支給の基準
  • 決算及び事業の実績
  • その他、理事長が必要と認めた事項

また、特に次に掲げる事項については、評議員会の議決を必要とします。

  • 予算、事業計画、借入金(当該会計年度の収入をもって償還する一時の借入金を除く。)及び重要な資産の処分に関する事項
  • 寄附行為の変更
  • 合併
  • 私立学校法第50条第1項第1号及び第3号に掲げる事由に因る解散
  • その他、本法人の業務に関する重要事項

(2)評議員から意見を引き出す議事運営方法の改善に努めます。

(3)評議員会は、学校法人の業務若しくは財産の状況又は役員の業務執行の状況について、役員に意見を述べ、若しくはその諮問に答え、又は役員から報告を徴することができます。

(4)評議員会は、理事長が監事を選任する際、理事会において選出した候補者のうちから、評議員会として同意の決議をします。

2-5 評議員

(1)評議員の選任

  • 評議員の人数は、30名以上40名以内とします。
  • 評議員となる者は、次に掲げる者としています。
    ア. 評議員会において教授以外の評議員中より2名を除く理事のうちから互選された2名
    イ. 学校法人大阪歯科大学の設置する学校の教職員中より教授会で推薦された者のうちから10名以上12名以内
    ウ. 大阪歯科医学専門学校及び大阪歯科大学を卒業した年齢25歳以上の者のうち同窓会の理事会において推薦された者のうちから13名以上16名以内
    エ. 学校法人大阪歯科大学理事会の推薦による者5名以上10名以内
  • 学校法人の業務若しくは財産状況又は役員の業務執行について、意見を述べ若しくは諮問等に答えるため、広範かつ有益な意見具申ができる有識者を選出します。
  • 評議員の選任方法は、各選出区分により推薦された者について、当該候補者を理事会が選任する扱いとします。

(2)評議員へのサポートの充実

  • 学校法人は、評議員に対し審議事項に関する情報について、評議員会開催の事前・事後のサポートを十分に行います。

第3章
教学ガバナンス(権限・役割の明確化)

学長の任命は、大阪歯科大学学長候補者選考規程に基づき、「理事長は、最終学長候補者を理事会にはかり学長予定者を決定し、法人評議員会に報告のうえ、学長就任の承諾を求めて任命する。」とあります。
また、学校法人大阪歯科大学管理運営規則(以下「管理運営規則」という。)において「学長」は、
「大学の学務を統括し、大学を代表する。」
「大学の儀式及び行事を主宰する。」
「大学歯学部教授会・主任教授会並びに医療保健学部教授会及びその他必要とする会議を招集し、その議長となり、大学教育に係る重要事項を提案して意見を聴き、大学の管理運営を円滑に行う。」
「大学院歯学研究科会議及び大学院医療保健学研究科会議及びその他必要とする会議を招集し、その議長となり、大学院教育に係る重要事項を提案して意見を聴き、大学院の管理運営を円滑に行う。」
「大学の決定事項や懸案事項並びに学長の対外的な活動に関して、本法人の業務執行の最高責任者である理事長に、その都度相談し報告する。」
としています。

私立学校法において「理事会は、学校法人の業務を決する」とありますが、理事会は、理事会の権限の一部を学長に委任しています。理事会及び理事長は、大学の目的を達成するための各種政策の意思決定、副学長、学部長等の任命、教員採用等については、学長の意向が十分に反映されるように努めます。

3-1 学長

(1)学長の責務(役割・職務範囲)

  • 学長は、学則に掲げる設置各学部の目的を達成するため、リーダーシップを発揮し、大学教学運営を統括し、所属教職員を統督します。
  • 学長は、理事会から委任された権限を行使します。
  • 学長は、所属教職員が、学長方針、中期計画、学校法人経営情報を十分理解できるよう、これらを積極的に周知し共有することに努めます。

(2)学長補佐体制(副学長・学部長の役割)

  • 大学に副学長を置くことができるようにしており、管理運営規則において「副学長は、学長の職務を補佐する。」としています。
  • 学部長の役割については、管理運営規則において「学部長は、学部を代表し、本法人の方針に従い、学部の管理運営をつかさどる。」としています。

3-2 教授会

(1)教授会の役割(学長と教授会の関係)

大学の教育研究の重要な事項を審議するために教授会を設置しています。審議する事項については、歯学部教授会・主任教授会規程、医療保健学部教授会規程に定めています。
ただし、学校教育法第93条に定められているように、教授会は、定められた事項について学長が決定を行うに当たり意見を述べる機関であり、学長の最終判断が教授会の審議結果に拘束されるものではありません。

3-3 大学協議会

(1)協議会の役割(学長と大学協議会の関係)

大学の教育の内部質保証等を協議するために、大学協議会を設置しています。協議する事項については、 大阪歯科大学協議会規程に定めています。

第4章
公共性・信頼性(ステークホルダーとの関係)

私立大学は、常に時代の変化に対応した高い公共性と信頼性が確保されなければなりません。建学の精神・理念に基づき自律的に教育事業を担う私立大学は、こうした高い公共性と信頼性のもとでの社会的責任を十二分に果たして行かねばなりません。ステークホルダー(学生・保護者、同窓生、教職員等)はもとより、広く社会から信頼され、支えられるに足る存在であり続けるために、公共性と信頼性を担保する必要があります。

4-1 学生に対して

(1)学生の学びの基礎単位である学部等においても、大学全体及び学部のアセスメント・プラン並びに大学全体及び学部・研究科の3つの方針(ポリシー)を明確にし、入学から卒業に至る学びの道筋をより具体的に明確にします。

  • 大学全体及び学部のアセスメント・プラン
  • 大学全体及び学部・研究科の3つのポリシー
    ア. ディプロマ・ポリシー
    イ. カリキュラム・ポリシー
    ウ. アドミッション・ポリシー
  • 自己点検・評価を実施し広く社会に公表するとともに、その結果に基づき学生の学修成果と進路実現にふさわしい教育の高度化、学修環境・内容等のさらなる整備・充実に取組みます。
  • ダイバーシティ・インクルージョン(多様性の受容)の理念を踏まえ、ハラスメント等の健全な学生生活を阻害する要因に対しては、学内外を問わず毅然かつ厳正に対処します。

4-2 教職員等に対して

(1)教職協働

実効性ある中期計画の策定・実行・評価(PDCAサイクル)による大学価値向上を確実に推進するため、教員と事務職員等は、教育研究活動等の組織的かつ効果的な管理・運営を図るため適切に分担・協力・連携を行い、教職協働体制を確保します。

(2)ユニバーシティ・ディベロップメント:UD

全構成員による、建学の精神・理念に基づく教育・研究活動等を通じて、私立大学の社会的価値の創造と最大化に向けた取組みを推進します。

  • ボード・ディベロップメント:BD
    ア. 役員に対し、研修や情報提供の機会を設け、その内容の充実に努めます。
    イ. 監事は、毎年度策定する監査計画と監査報告書を理事会並びに評議員会に報告します。
  • ファカルティ・ディベロップメント:FD
    ア. 教員個々の教授能力と教育組織としての機能の高度化に向け、学長のもとにFD推進組織を整備し、年次計画に基づき取組みを推進します。
  • スタッフ・ディベロップメント:SD
    ア. 全ての教員・事務職員等はその専門性と資質の向上のための取組みを推進します。
    イ. SD推進に係る基本方針と年次計画を定め、計画的な取組みを推進します。
    ウ. 教職協働に対応するため、事務職員等としての専門性、資質の高度化に向け、年次計画に基づき業務研修を行います。

4-3 社会に対して

(1)認証評価及び自己点検・評価

  • 認証評価
    2004年度から、全ての大学は、7年以内ごとに文部科学大臣が認証する評価機関の評価を受けることが法律で義務付けられました。本学も評価機関の評価を受審し、評価結果を踏まえて自ら改善を図り、教育・研究水準の向上と改善に努めます。
  • 自己点検及び評価結果等を踏まえた改善・改革(PDCAサイクル)の実施
    教育目標や組織目標の実現に向け、それらの目標の達成状況及び各種課題の改善状況等に関する定期的な自己点検・評価を実施し、その結果を踏まえた改善・改革のための計画を策定し、実行します。
  • 学内外への情報公開
    自己点検や改善·改革に係わる情報及び保有する教育・研究をはじめとする各種情報資源を、刊行物やホームページ等を通じて積極的に公開することにより、学内外の関係者及び社会に対する説明責任を果たします。

(2)社会貢献・地域連携

  • 本学の資源を活用し、社会の発展と安定に貢献するため、教育・研究・附属病院における診療活動等の多様な成果を社会に還元することに努めます。
  • 産官学の組織的連携を強化し、「知の拠点」としての大学の役割を果たすとともに、産学、官学、産産等のプラットフォームとして機能します。
  • 地域の多様な社会人を受け入れるとともに、時代の要請に応じた生涯学習の場を広く提供します。
  • 大規模災害への対応として、日常的に地域社会と減災活動に取組みます。
  • 環境問題を始めとする社会全体のサステナビリティを巡る課題について対応します。

4-4 危機管理及び法令遵守

(1)危機管理のための体制整備

  • 危機管理体制の整備と危機管理マニュアルの整備に取組みます。
    ア. 大規模災害
    イ. 不祥事(ハラスメント、公的研究費不正使用等)
  • 災害防止、不祥事防止対策に取組みます。
    ア. 学生・生徒等の安全安心対策
    イ. 減災・防災対策
    ウ. ハラスメント防止対策
    エ. 情報セキュリティ対策
    オ. その他のリスク防止対策

(2)法令遵守のための体制整備

  • 全ての教育・研究活動、業務に関し、法令、寄附行為、学則並びに諸規程(以下、法令等という。)を遵守するよう組織的に取組みます。
  • 法令等に違反する行為又はそのおそれがある行為に関する教職員等からの通報・相談(公益通報)を受け付ける窓口を常時開設し、通報者の保護を図ります。

第5章
透明性の確保(情報公開)

私立大学は、日本における高等教育の大きな担い手であり、公共性が高く、社会に質の高い重要な労働力を提供する機関であることを踏まえ、法人運営・教育研究活動等について、透明性の確保にさらに努めます。

私立大学は、多くのステークホルダーから支持されることが必要ですが、大学の目的は教育・研究・社会貢献等多岐にわたっており、それぞれに異なるステークホルダーが存在することを踏まえた上で、法人運営・教育研究活動の透明性を確保します。

私立大学は、高等教育を担う公共性の高い機関であることから、企業のように、利益を追求する「株主への説明責任である」との位置付けとは異なり、法人運営・教育研究活動の公共性・適正性を確保し、透明性を高める観点からステークホルダーへの説明責任を果たします。

5-1 情報公開の充実

(1)法令上の情報公表

公開すべき事項は学校教育法施行規則(第172条第2項)、私立学校法等の法令及び日本私立大学団体連合会のガイドライン等によって指定若しくは一定程度共通化されていますが、公開するとした情報については主体的に情報発信していきます。

  • 教育・研究に資する情報公開
    ア. 大学の教育研究上の目的
    イ. 大学全体及び学部のアセスメント・プラン
    ウ. 大学全体及び学部・研究科のディプロマ・ポリシー
    エ. 大学全体及び学部・研究科のカリキュラム・ポリシー
    オ. 大学全体及び学部・研究科のアドミッション・ポリシー
    カ. 教育研究上の基本組織
    キ. 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績
    ク. 入学者の数、収容定員、在学学生数、卒業又は修了者数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況
    ケ. 授業科目、授業方法及び内容並びに年間の授業計画
    コ. 学修成果に係る評価及び卒業又は修了認定に当たっての基準
    サ. 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境
    シ. 授業料、入学料等の大学が徴収する費用
    ス. 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援
    セ. 学生が修得すべき知識及び能力
  • 学校法人に関する情報公開
    ア. 財産目録・貸借対照表・収支計算書
    イ. 寄附行為
    ウ. 監事の監査報告書
    エ. 役員等名簿(個人の住所に係る記載の部分を除く)
    オ. 役員報酬に関する基準
    カ. 事業報告書
    • 1)法人の概要
      ・ 学校法人としての住所・連絡先
      ・ 理事・監事・評議員の氏名
      ・ 理事・監事の略歴(所属機関や職業等)
    • 2)事業の概要
      ・ 主な事業の目的・計画及びその進捗状況
    • 3)財務の概要
      ・ 収支及び財産(財産目録、貸借対照表、収支計算書)の状況(経年比較等を活用)

(2)自主的な情報公開

法律上公開が定められていない情報についても、積極的に自らの判断により努めて最大限公開します。事例としては次のような項目があります。

  • 教育・研究に資する情報公開
    ア. 海外の協定校及び海外派遣学生者数
    イ. 大学間連携
    ウ. 地域連携並びに産学官連携
  • 学校法人に関する情報公開
    ア. 中期計画

(3)情報公開の工夫等

  • 上記(1)②及び(2)②の学校法人に関する情報公開については、Web公開に加え、各事務所に備え置き、請求があれば閲覧に供します。
  • 公開方法は、インターネットを使ったWeb公開が主流ですが、閲覧者が多岐にわたることを考慮し、「大学ポートレート」を活用するほか、入学案内、広報誌、各種パンフレット等の媒体も活用します。
  • 公開に当たっては、分かりやすい説明を付けるほか、説明方法も常に工夫します。

おわりに

日本における全大学数の約8割を担う私立大学は、学部教育を中心に我が国の高等教育の発展に大きく寄与し、社会の発展と安定に不可欠な極めて厚い中間層の形成に貢献しています。また、私立大学は、地域社会における高等教育へのアクセス機会の均等と、知的基盤としての役割も同時に果たしてきています。


今後とも、大阪歯科大学が我が国の発展に寄与し貢献していくためにも、主体性を重んじ公共性を高め、自律的な「大阪歯科大学ガバナンス・コード」を制定し、それを規範として運用することにより、適切なガバナンスを確保し、強固な経営基盤をもとにした新しい大学づくりを進めていく必要があります。


そして、大阪歯科大学は、教育・研究・社会貢献の機能の最大化を図るとともに、社会的責任を全うすることにより、社会からの信頼に応え、さらなる社会の支援につながることに努めてまいります。


2021年9月30日制定

ガバナンス・コード点検結果