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大阪歯科大学

グッド・ティーチャー賞(2020年度)を実施しました

大阪歯科大学では、本学が定める三つのポリシーを十分に理解し、本学の教学マネジメント活動に積極的に関与した教員のうち、教育実践に顕著な成果をあげた教員に対してその功績を表彰するグッド・ティーチャー賞制度を設けています。

より一層の教育の質向上を目指し、2020年度より、その趣旨や選考基準を新たに実施しました。

受賞者の先生方の取り組みがグッド・プラクティスとして、本学の多くの学生・教職員の財産となることを期待し、本学のFD活動を推進する取り組みのひとつとして受賞結果を公開します。

選考について

選考基準

  1. 卓越した指導力で教育効果の高い授業を実践した者
  2. 教育方法の工夫又は改善に取り組み、顕著な教育成果をあげた者
  3. 能動的な学修への学生の主体的な参加を取り入れた教授法等により教育効果の高い授業を実践した者
  4. 研究指導、課外活動指導その他の学生指導において顕著な成果をあげた者
  5. その他意欲的な情熱をもって教育活動に取り組み、顕著な教育成果をあげた者

選考方法

大阪歯科大学グッド・ティーチャー賞実施要項別記様式第1号(応募様式)により、次の3つの指標の合計得点上位者を表彰する。

  1. 教員評価卓越領域評価(教育活動領域)の評価結果に基づく得点(SS:50点/SA:30点)
  2. 教育改善ルーブリック
  3. 学生による授業評価(2020年度実施実績)

2020年度受賞者一覧

部門 氏名 教員
評価
ルーブ
リック
授業
評価
合計
(100点換算)
歯学部低学年 津田 進 (化学教室助教) 50 45 45.7 140.7
(93.8)
歯学部高学年 小正 聡(欠損歯列補綴咬合学講座講師) 50 41 50 141.0
(94.0)
医療保健学部 三宅 晃子(口腔工学科助教) 50 36 46.6 132.9
(88.6)

主な成果・貢献内容

歯学部低学年部門/津田 進(化学教室助教)

要約ポイントの授業前提示、授業レジュメの事前配布など学習者がスムーズに授業に参加できるよう、「予習」工程における工夫がなされており、学習者の能動的な学習を促進している。加えて、クリッカーを活用した理解度の確認を行い、自分の立ち位置を学生自身が確認しながら学習できる取り組みは、学習者主体の学修成果の可視化につながる取り組みとして有用な事例だといえる。
第1学年における基礎科学教育を通して、主体的に学習する意義を学生自身が見いだせるような丁寧な工夫がなされている。

歯学部高学年部門/小正 聡(欠損歯列補綴咬合学講座講師)

補講、合宿など担当授業以外の教学活動にも積極的に参加し、学生目線での教育指導に尽力されている。また、講義等で使用する資料は、特に学生の理解が困難と想定される単元・項目について、自らが教科書の内容をかみ砕いてオリジナル教材として作成し、ファイルと合わせて学生に提供している。 活字嫌いの学生を対象に、「教科書の読みたがり」補講を企画したり、助言教員間での授業相互参観を行うなど、教学改善活動に積極的に取り組まれている。

医療保健学部部門/三宅 晃子(口腔工学科助教)

前回の講義内容を対象とする小テストや学生同士で理解状況を確認するグループワークなど授業自体が反復学習になるよう工夫されている。また、2020年度より導入したLMS(SATTシステム)を率先して活用し、自主学習支援に尽力された。

ノミネート賞

教育改善ルーブリックによる自己点検・評価、ティーチング・ポートフォリオの公開など、学内の情報共有に主体的に取り組み、内部質保証につながる教学改善活動に積極的に参加を行った次の教員の貢献を表彰し、ノミネート賞を授与します。

本学のグッド・プラクティスとしてその取り組みを高く評価し、表彰いたします。

歯学部低学年部門

教養系

  • 化学教室 津田進(助教)*

基礎系

臨床系

  • 歯科矯正学講座 細山有規子(助教)

歯学部高学年部門

基礎系

臨床系

医療保健学部部門

基礎系

*グッド・ティーチャー賞2020受賞者

主任教授・教授のグッド・プラクティス紹介

(主任教授の受賞について)
主任教授はその職位における責務から教育改善ルーブリックが極めて高い得点となって然るべき役職にあり、当該項目が極めて高得点となることから、その他の職位の対象と比べて総合得点が優位な状況となりました。そのため、合計得点の比較対象には含めずノミネート賞の授与となりました。若年層のキャリア形成及び教育実践事例の共有を目的として、主任教授からの応募は今後も対象とします。ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

  • 池尾 隆主任教授(生化学講座)
    ディプロマ・ポリシーに規定される能力・スキルの育成を自身の教育活動の中で実践するため、目標設定から結果の検証まで一貫したPDCAサイクルによる授業改善活動を行っている。
    具体的な方法として、メモリー・マップ演習(学習内容を体系化するツリー作成)や3分間プレゼンテーション演習、ポートフォリオを活用したプロジェクト学習など、学生自身が成果を可視化し、振り返ることができる手法を実践されている。
    TBL(Team-based learning)やThink-pair-shareなどのアクティブ・ラーニングを活用しながら、症例分析やアセスメントを行っており、ひとつの科目のなかでSTEAM 教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics 等)、Society5.0対応人材の育成が実践されている好事例だといえる。
  • 上村 守主任教授(解剖学講座)
    「暗記に頼らない、考える解剖学」をテーマに、受講者の興味喚起、「学びたい」という気持ちを高めるための工夫がなされている。
    また、人体解剖学実習に必要な十分な知識と技術はもとより、「生命の尊厳」の教育を目標に実践されている。当該教育理念を体現される取り組みとして、コロナ禍でも対面実習が最大限実施できるよう、WEB講義の作成から活用まで創意工夫ある取り組みがなされている。
    学生の学修意欲を高め、学力向上につながる計画的な授業設計が実践されている好事例だといえる。
  • 野﨑 中成主任教授(薬理学講座)
    歯科医学における薬理学は、基礎系科目と臨床系科目の双方に密接に関連していることから、学年が上がるのに合わせて、疾患の予防と治療に関連付けるような発展的な講義内容へ展開する科目・授業計画がなされている。
    また、薬理学が広く医学や社会と関連することを十分理解できるように、各種医薬品を実際に見せながら、身近なところから興味を引き出す工夫や、コンピュータ・シュミレーションによる実習、PBL型学習などSTEAM 教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics 等)、Society5.0対応人材の育成が実践されている好事例だといえる。
    主任教授として学外研修会やセミナーにも多数参加し、新たに修得した教育法を実践・共有することで、教学改善活動への貢献も大きい。
  • 元根 正晴教授(口腔保健学科)
    附属病院での睡眠時無呼吸外来での外来実践や本学産業医としての経験を活かし、医科歯科連携、チーム医療に必要な視点を授業のなかで訴求している。
    また、日本語能力の不足が否めない留学生の指導には、日本語ボランティア教室への同行や懇親会など、学習支援に尽力された。

2020年度受賞者選考結果

※各50点満点
部門
選考
対象者数
教員評価
平均
ルーブリック
評価平均
授業評価
平均
合計平均
(100点換算)
歯学部低学年 10 47.4 36.6 47.4 115.8
(77.2)
歯学部高学年 6 49.2 39.0 49.2 126.2
(84.1)
医療保健学部 2 46.9 43.0 46.9 116.5
(77.6)