口腔常在細菌が宿主に及ぼす影響と、宿主環境による常在菌(叢)の変化を双方向から捉えることにより、口腔疾患を総合的に考えることのできるサイエンティストを育成する。
最新の遺伝子解析技術を用いたゲノム微生物研究と細胞を使用した分子生物学的解析が可能である。
個々の興味に即した研究テーマの設定から、仮説の構築、実験的証明、結果の考察の各ステップに分けて丁寧に指導する。
1年次:分野における既存の知識を理解し、新規研究テーマを決める。
2年次:実験の基本手技を習得し、実験の組み立てができる。
3年次:実験結果をプレゼンテーションできる。
4年次:研究結果を論文にできる。
ポストドクトラルフェローとして研究を継続し、国内、海外の研究機関を紹介することが可能である。また、本講座の非常勤講師として研究、教育に関わることができる。
主科目授業内容 | |
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細菌学 |
一般細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、原虫・寄生虫、真菌、古細菌、ウイルスの性質、種類について、卒前教育レベルから一歩踏み込んだ知識を教授する。 |
細菌学実習 |
細菌の数を知る方法の原理と手技、細菌の遺伝型・表現型を知る方法の原理と手技、細菌の薬剤感受性を評価する方法の原理と手技について理論と技術を教授する。 |
免疫学 |
免疫を担当する細胞が、どのようにして微生物から体を守っているのかを分子レベルで解説する。また、免疫応答が傷害的に働く仕組みを教授する。 |
免疫学実習 |
Western blotting、ELISA、免疫蛍光染色などの抗体を用いた抗原の検出法の原理と基本技術を教授する。3年次には実際に細胞を取り扱い、それらの技術を用いて細胞のphenotypeを調べる。 |
口腔細菌学 |
口腔の微生物の性質を詳細に解説する。またそれらの微生物が口腔疾患を起こす仕組みについて教授する。 |
口腔細菌学実習 |
口腔細菌叢の構成を知る手段として、培養を介する方法と、培養を介さない遺伝子レベルの方法を教授する。 |
感染症学 |
感染が成立する際の寄生体側の因子について詳細に解説する。また、感染症に対して用いられる抗生物質などの薬物が微生物に効く仕組みと、効かない仕組みについても教授する。 |
各項目の理解度を口頭試問、レポートにより評価する。また、研究の進展については毎月講座内で進捗状況を発表することで評価し、学会発表、論文公表も評価の対象とする。