CLOSE

大阪歯科大学

AMED令和5年度
「優れた医療機器の創出に
係る産業振興拠点強化事業」

分野1:
 優れた医療機器の創出に係る
産業振興拠点

代表あいさつ

大阪歯科大学の事業テーマは「超高齢社会に対応した歯科口腔医療実現のための医療機器創出・企業育成に係る産業振興拠点の構築」です。
①歯科大学・附属病院における臨床現場の知識や経験を技術の実現者たる企業と連携し新規開発の気づきを与えるコミュニケーションの場と教育・研修プランを提供できる体制の構築と、②薬事開発・保険戦略等の出口戦略を見据えた企業への製品化に関する伴走支援の体制を拡充するとともに、開発した製品の事業継続性を市販前に検証できる試験的コミュニティ・環境構築を検討すること等を目的としています。
寿命がさらに延長することによって、歯科医療機器・材料にも人生を全うしうるだけの耐久性や交換のし易さなどの工夫や技術改善が求められる昨今。入れ歯やインプラント等の最終的な治療手段に至るまでにも、健康な歯を維持することや、早期に歯の異常を検知・診断する技術、歯科修復等の技術により、いかに寿命を延ばすかが重要となっています。
歯科口腔ケアの高まりが、若年層での虫歯の減少につながったように、超高齢社会に適応した歯科医療機器・医療材料の開発が望まれる中にあって、本学はその実現に向け力を尽くしてまいります。本拠点の進展にご期待ください。

中嶋正博

拠点事業代表
中嶋 正博
大阪歯科大学附属病院 病院長

優れた歯科医療機器・
材料開発の気付きを目指す
臨床研修プログラム

優れた歯科医療機器・材料開発の気付きを目指す臨床研修プログラム

入門コース
(研修期間:4ヶ月程度)

歯科医療全般にわたっての基本診療の流れを修得するとともに、用いられている医療機器の効果効能等の特性、使用感、使用頻度、収載されている保険点数、若しくは自費の場合は自費診療に関わる費用の算出方法を研修するコースです。

応用コース
(入門コース修了者対象)

(1)データ管理コース
(研修期間:6ヶ月程度)

大学病院の保有する医療情報等のビッグデータをデータ項目毎に解説し、ビックデータの分析手法及び活用方法を修得するとともに、データから新たな医療機器開発に繋がるヒントを読み取る方法についてグループワークを通じて修得するコースです。

(2)デジタルワークコース
(研修期間:6ヶ月程度)

デジタルワークフローについて理解し、情報の送受信におけるセキュリティー対策、或いは CAD/CAMやスキャニング等の情報通信関連の革新的な医療機器の開発に繋がるスキルを修得するコースです。

(3)マテリアル開発コース
(研修期間:9ヶ月程度)

臨床に使用されている体内埋込型の医療機器のマテリアルについて、機器毎にそれぞれの特性を修得するコースです。

(4)口腔ケア・リハビリテーションコース(研修期間:9ヶ月程度)

摂食嚥下障害や口腔機能低下症で口腔リハビリテーション科に来院されている患者や、病院と連携する老人保健施設に入所されている患者を対象として、現在行っている検査・診断と治療、特に直接的・間接的嚥下訓練や口腔リハビリテーションの流れを研修するコースです。

各種研修プログラム

各コース共通の修得事項

  1. 患者の同意の下で診療のオブザーバーとして立ち合い、患者の受診から検査・診断、治療までのプロセスを学ぶことができます。また、特定の医療機器が使用される現場も経験し、その使用方法や患者への影響を観察することができます。
  2. 医療専門職の講師から、医療機器の要件定義、デザイン思考、患者中心の開発アプローチについて学ぶことができます。
  3. 医療現場の実際のニーズの特定と技術開発とのギャップを理解し、新たな医療機器のアイデアを生み出すスキルを習得することができます。
  4. ブレインストーミングやデザイン思考の手法を用いて、患者ニーズを満たすための新たな医療機器のアイデアの提案から、プロトタイプの計画、そして実現可能性の評価に至る製品開発過程についてグループワーキングを中心とした研修を通じて具現化させるスキルを修得することができます。

臨床研修プログラム・
事業分担

馬場 俊輔

大阪歯科大学
医療イノベーション研究推進機構(TRIMI)機構長
大阪歯科大学附属病院
副病院長
大阪歯科大学 口腔インプラント学講座
主任教授

馬場俊介

TRIMIが担う開発品の
アウトプット戦略

TRIMIが担う開発品のアウトプット戦略

我が国の医療機器産業は輸入過多の状況にあります。国内の医療機器産業の活性化によって、新たな革新的な医療機器を国内で生み出し、患者に医療上のメリットを十分に享受してもらうことが重要です。そのためには、大学等の研究機関における新たな研究成果や新たなシーズを、医療機器として実用化(製品化・事業化)するために、企業による製品化に係る技術移転、新技術の創出等が必要になります。
一方、どうしてもネックとなるのが、薬事プロセスにおいて、俗に「死の谷」と言われる部分です。これは、研究開発当初から規制側が求める評価や考え方を意識しないまま、企業(申請側)側の視点で薬事開発を進めてしまうことに起因します。規制側(厚生労働省やPMDA)のガイダンスの整備やきめ細かな相談の実施により、「死の谷」の底も浅くなっては来ています。しかし、どの方向で薬事開発を進めていいのか等の具体的なアドバイスを規制側が提示することは組織上できません。
開発支援部門では「死の谷」を越えるための支援として、この役割を担います。そのためには、長きにわたって幅広く薬事規制を経験し精通したポストが必要です。産学連携においても、このポストは経験的にも人材的にも十分ではなく、他大学や企業にも門戸を開いてサポートを担います。医療機器産業を活性化し、新たな研究開発を進める好循環を目指して一緒に進みましょう。

開発支援等学術指導のターム

開発支援等学術指導については、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)への承認申請や第三者認証機関への認証申請が必要となる医療機器等や、申請等を必要としない製品などがあります。
上記は、医療機器の承認を得るまでのPMDAの審査プロセスに応じた、開発支援部門が行う開発支援等学術指導のタームを示したものです。製品化支援、相談・申請支援を通じて、様々なタイミングで効果的な支援を行えるようにしています。
その他、一般的な医療機器の薬事規制に関する知識習得のため、企業、アカデミア、学生を対象とした公開講座を実施しています。

出口戦略・事業分担

谷城 博幸

大阪歯科大学 医療イノベーション研究推進機構(TRIMI)
事業化研究推進センター 開発支援部門 教授

谷城博幸

アクセス

大阪歯科大学への地図

本拠点事業に関する
お問い合わせ

超高齢社会に対応した
歯科口腔医療実現のための
医療機器創出・企業育成に係る
産業振興拠点の構築