生命予後、
健康寿命の延伸をしっかり
噛める義歯で実現する!
我々の講座は、学生さんに対する教育として「部分床義歯補綴学」、すなわち歯を失った部分を補うために、残存する歯を土台とした患者さん自身が着脱可能な義歯を提供することで、正常な口腔の機能を回復する学問を担当しています。また、日常の臨床では、歯を失った状態に対して人工の歯を提供する治療(補綴歯科治療)を中心に、患者さんの口腔の機能や審美的な問題の解決にあたっています。噛めないという状況(咀嚼障害)だけをとってみても、歯を失った状態という器質的な問題だけではなく、咀嚼に関わる顎の関節や筋肉に問題がある状況(例えば顎関節症)や、脳卒中後、認知症といった全身疾患など、その原因は多岐に渡ります。我々はそのような問題を根拠に基づいて診断し、問題を解決可能な複数の方法の中から、最もフィットする治療法を個々の患者さんと伴に決定し、提供しています。
以前より、残存する歯の数が少ない人は寿命が短くなるということは多くの研究から示されてきましたが、最近では歯を失った状態に対して放置せずに、補綴歯科治療を受けて歯の数を維持している事の方が、平均寿命や健康寿命に対してより強い影響を与えるという事実が知られるようになりました。さらに、この全身健康に対する補綴歯科治療の効果は、しっかり噛めると実感できる義歯を使用している人ほど、良好な栄養状態の維持を通して高くなっていることも明らかになっています。このように、補綴歯科治療の提供は、生命予後に直結する仕事です。我々は、そのことを十分に認識するとともに、やりがいのある仕事に対して誇りをもち、常に成長を目指して日々努力を続けています。
研究室のメンバーMEMBER
学生へのメッセージMESSAGE
歯科治療に関する治療概念、臨床術式は、急速なデジタル化の進展に代表されるように常に進歩を続けており、歯科医師となった後も生涯学び続けることが必要です。本講座では標榜可能となった補綴歯科専門医だけではなく、顎関節症や口腔顔面痛、口腔リハビリテーション等に関する様々な専門医取得が可能です。専門医の取得と常に自身をアップデートできる環境を整え、一緒に頑張ってくれる方々をお待ちしています。