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大阪歯科大学

大阪歯科大学医療保健学部の久保樹里講師のコメントが掲載されたのは、共同通信社の連載企画「私たちの平成 -正しさからこぼれ落ちる-」(全9回)の5回目『虐待の先に② 48時間ルールの呪縛』という特集記事(2018年7月配信)。児童虐待問題を取り上げ、大阪市で2幼児餓死事件が起きた2010年当時、管轄の児童相談所に勤務していた久保先生の談話を載せています。その中で、久保先生は大阪の事件以降「(児相の)職員間の議論では、ミスを問われないための対応に目がいくようになった」と話し、「嵐のような(世間の)批判の中で小さく身を縮めてしまい、迷いながら試行錯誤する人が少なくなった」と現在の児相が抱える問題を指摘しています。さらに記事では、久保先生が児相時代に家族の再統合に取り組み、ドメスティックバイオレンス(DV)の加害男性を対象にしたグループ「男親塾」の活動に注目していたことを紹介。「男親塾」が加害者の更生につながることに期待を示しつつ、連載は次回へと続いています。

医療保健学部開設に伴い、昨春に本学講師として着任した久保先生は、大阪市の福祉事務所で10年、中央児童相談所(現大阪市こども相談センター)で20年の職歴をもつ子ども学、社会学のエキスパート。現在は医療保健学部「社会福祉士コース」の授業を主に担当し、歯科医療と福祉を結ぶ高度専門職の育成に力を尽くしています。
「児童相談所で働いていた際、保護をした幼児さんの歯が真っ黒だったり、黒い歯根だけで驚いたことがあります。子ども虐待のサインとして、口腔内の状態も大切な指標です。歯科の知識とともに、福祉の知識とスキルを持つ人材は高齢者分野だけでなく、子どもの分野でも貴重です。歯科と福祉をつなぐ人材育成に努めていきたいと思います」と抱負を語ってくれた久保先生。これからも先生の活躍から目が離せません!

►大阪歯科大学医療保健学部「社会福祉士コース」の詳細はこちらをご覧ください。

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