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大阪歯科大学

大阪桐蔭高校2度目の春夏連覇、秋田金足農業高校の大躍進と100回記念に相応しい盛り上がりを見せた今年の高校野球・夏の甲子園。大会後に選抜された野球日本代表侍ジャパンU-18もアジア選手権で銅メダル獲得と、この夏は高校野球が大いに注目を集めました。中でも一躍、時の人となったのが金足農業のエース・吉田輝星投手。吉田投手が試合中に装着していたマウスピースも話題になりました。

吉田投手のマウスピースを取り上げた記事に、本学歯学部歯科保存学講座の吉川一志准教授のコメントを載せたものがあることをご存じでしょうか。8月20日のデイリースポーツ紙では、本学が過去に日本代表チームの「マウスガード」作製に協力したことや、当時作製に携わった吉川准教授の談話を紹介しています。「マウスガードを装着すると、田中投手(現ヤンキ-ス)は『これいいですね』と話していたようですが、斎藤佑樹投手(現日本ハム)は違和感を抱いて制球が定まらなかったそうです」。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180820-00000138-dal-base

2004~2008年まで、夏の大会終了後に選抜された全日本高校野球選抜チームに対して、本学は日本高等学校野球連盟とマウスガードの共同研究を実施しました。研究のきっかけは2004年春、高野連の監事をしていた吉川准教授のお父様を通じて、高野連から「野球をする際にマウスガードは必要か」問い合わせがあったこと。本学は高齢者歯科学講座・小正裕教授(現医療保健学部長)を代表とする大阪歯科大学スポーツ歯科臨床研究班—吉川准教授はもちろんこの研究班の中心メンバー—を発足。全日本選抜チームにマウスガードを装着してもらい、その使用感をアンケートにて判定し、「野球に適したマウスガードに必要なものは何か」、解明に取り組みました。田中投手や斎藤投手のほか、ダルビッシュ投手(現カブス)も本研究の被験者になってくれました。
その後、高野連の高校野球用具の使用制限において、マウスガード(マウスピース)については「白または透明なものに限り使用を認める。」と明記されるように。
この共同研究によって本学と高野連とのつながりは深まり、本学附属病院は現在も、春の選抜と夏の大会期間中に口腔内を負傷した選手の救急対応を引き受けています。

自身も野球少年だった吉川先生。マウスピースを装着し熱投を見せてくれた吉田投手に対し「吉田投手に憧れて野球をする子供たちが、プレイ中にマウスピースを使ってくれることで、口腔内のケガが少なくなるかもしれません。吉田投手、ありがとうございます。」と感想を話していました。

►共同研究の詳しい内容については、こちらをご一読ください。
『全日本高校野球選抜チームに対するスポーツマウスガードの作製とアンケート調査』

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