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大阪歯科大学

10月8日、「大阪歯科大学歯科衛生士研修センター」設立を記念して、キックオフセミナーが本学創立100周年記念館で開かれました。このセンターは、厚生労働省受託事業「歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業」の一環として、附属病院内に設置されるもの。近畿圏における復職支援の拠点となることが期待されています。

キックオフセミナーは午後1時から始まりました。冒頭、本学の川添堯彬理事長・学長が、「歯科診療所等への歯科衛生業務従事者は慢性的に不足し、とくに近畿圏は人口10万人当たりの歯科衛生士数が93人ほどで全国平均より少ない。本センターの意義をご理解いただいて、ぜひ研修に参加いただき、歯科衛生士としての仕事をしていただきたい」と挨拶。
続いて、各方面からお招きした4名の先生方による講演が行われました。
はじめに、厚生労働省医政局歯科保健課の小嶺祐子課長補佐が『歯科保健医療の動向と歯科衛生士を取り巻く環境』と題して基調講演し、「歯科衛生士免許登録者数(平成28年は269,226人)のうち業務従事者数(同年123,831人)の割合(就業率)は増加傾向にあるものの50%を切っている」と説明。その上で、「厚生労働科学研究の調査では、未就業者のうち75%は働きたいと思っており、就労に際しての障壁として『技術』が2番目に挙がっている。こうした背景があり、厚労省として技術、復職の支援をすることになった」と話されました。
東京医科歯科大学の水口俊介・歯科衛生士総合研修センター長は、同センターで実施している研修内容を中心に紹介。日本歯科衛生士会の武井典子会長からは、会が取り組むさまざまなキャリアアップ支援事業の解説がありました。講演の最後は、大阪府歯科衛生士会の橋場佳子会長が登壇。歯科衛生士の就職相談や就職紹介なども行う会の活動を紹介し、今後本学と「連携をとりながら進んでいければ」と述べられました。

後半は、本学歯科衛生士研修センターの山本一世センター長が、当センターについて紹介しました。eラーニング対応の大型ディスプレイを備えたゼミ室、デンタルチェアー研修室、訪問歯科診療研修室、エックス線撮影室、高性能の機器が揃ったサプライなど、六つのパートで構成されるセンター内部を初公開。本センターで「高齢化時代に求められる歯科衛生士のスキルを身につけていただきたい」と期待を示しました。
次に、髙田橋美幸・同副センター長が研修プログラムの内容を案内。あわせて附属病院内の様子を動画で紹介しました。「研修センターでは、20代から60代まで幅広い年齢層の歯科衛生士が指導にあたる。受講生に自信を持って復職してもらえるように、技術面はもちろん、女性ならではの支援もできるように頑張ります」と抱負を語りました。
最後に、中嶋正博附属病院長が「本センターで研修を受けられた歯科衛生士さんが社会に出て活躍されることを願っています」と挨拶し、閉会しました。

参加したベテランの歯科衛生士の方は「30年前に学校で学んだことと現在の業務内容がかけ離れていて不安がある。患者さんを第一に考えると、(大阪歯科大学歯科衛生士研修センターで)正確な知識と技術をもう一度学びなおし習得したい。75歳ぐらいまでは現役を続けたい」と目標を話してくれました。
本センター第1期生の募集人数は18名、 11月16日まで受講相談を受け付け、研修期間は12月から来年2月までを予定しています。
歯科衛生士として復職を目指している皆さま、免許取得直後で基礎技術を向上させたいとお考えの皆さま、また受講を迷われている方も、まずは気軽にホームページ「受講相談・申込フォーム」からお問い合わせください。

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