CLOSE

大阪歯科大学

歯学部6年生が人命救助 消防署から感謝状

適切な救命活動を行い傷病者の救護に貢献したとして、大阪歯科大学歯学部6年の青山史佳さんに先月、大阪市北消防署から感謝状が贈られました。

8月27日18時33分ごろ、帰宅途中の青山さんは大阪メトロ御堂筋線「梅田駅」の南改札口付近(Whityうめだ地下街)で、男性が倒れているのに遭遇しました。咄嗟に駆け寄ると、肉付きが良く30代とみられる男性は呼吸がなく、目も開いていない状態でした。「街中なので、救急の知識を持っているのは自分しかいないかも。とりあえずなんとかしないと」
その時、偶然近くを青山さんと同世代と思われる看護師4人が通りかかり、救護に加わってくれました。呼吸と脈を確認したうえで、青山さんらは交代で心臓マッサージを開始。間もなく警備員がAEDを持って駆けつけました。男性に電極パッドをはると「電気ショックが必要です」との音声が。前に押し寄せる見物人に、青山さんは大声で「感電するから離れてください」と注意。心停止の男性に電気ショックを与えました。1回では戻らず、再び心臓マッサージ。そして2回目のショック。男性は3回目で漸く覚醒しました。
「息はできますか。喋れますか」。声かけを続けるうち、青山さんは、肥満気味の男性が、喉が詰まり息ができていないことに気づきます。本学の救急蘇生実習で学んだ、下顎を上げると息ができる“気道確保”を思い出し、青山さんは看護師さんらに「それをやりましょう」と提案。気道確保を行ったのち、男性は呼吸ができるようになりました。
救急隊が到着した時、男性は「病院へは行かないよ。大丈夫だから」と話せるまでに回復。救急隊もビックリされていたそうです。
倒れている男性の発見から救急隊到着まで約7分。「意識戻ってくれ!消防隊早く来て」という気持ちで必死でしたが、看護師さんとの協働で「落ち着いて行動できて良かった」と振り返った青山さん。人生で最も長い7分間でした。

「ここまで救急隊が手を施さなくていいレベルまで、一般の方が蘇生できる例はほとんどない。その場で助けた人が全員医療系だったからこそ。適切な処置をありがとうございました」。感謝状贈呈の際、消防署からこう労われた青山さん。川添堯彬理事長・学長も、傷病者を救護するという医療人の精神を、勇気をもって示してくれた青山さんに最大限の賛辞を送っていました。

大阪市消防局 北消防署提供

大阪市消防局 北消防署提供

関連記事