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大阪歯科大学

9月1日、大阪教育大学附属平野中学校2年生の生駒優衣さんが大阪歯科大学楠葉キャンパスの口腔衛生学講座を訪問、三宅達郎主任教授、土居貴士准教授から研究指導を受けました。
この訪問は、同校の総合的学習において「歯をきれいにする方法」を研究テーマに決めた生駒さんが、内容を検討する中で浮かび上がった疑問を解決するため、本学ホームページを通じて自ら指導を申し込むことで実現しました。

生駒さんの研究計画は、朝の歯磨き後から夜の歯磨き前までの口腔内の汚れを歯型模型に再現し、最適のブラッシング方法を見つけるというもの。対面指導は、両先生が生駒さんの質問に答える形で進みました。「歯垢の代わりに水飴を使うのはどうですか?」「水飴を使う場合、どのくらいの時間放置すればいいですか?」「唾液に殺菌効果はありますか?」一つ一つ発せられる問いに先生方は丁寧に応答。模型の大きさや材質、歯ブラシの形態や硬さ等によっても実験結果は異なることなどを説明しました。先生の話に「ハイ、ハイ」と頷きつつ、熱心にペンを走らせる生駒さん。「子ども用の歯磨き剤は、どうして小さいか知ってる?」三宅教授から突如繰り出された逆質問の回答もしっかりノートに書き留めていました。

歯垢の代替として人工プラークを用いる。人工プラークは1・4・6番の前面に塗る。歯ブラシ圧が一定になるよう繰り返し訓練する。歯磨き粉は使わない。評価は数値でなく画像で行う。実験時は、模型やスマホを置く場所を固定し、常に同じ条件で写真を撮る——といったアドバイスのほか、「研究には既知のものを確認するという側面もある。この研究はそれに近く、新しいことを発見する研究にはならないかも」との示唆や、「ブラッシングには歯垢の除去だけでなく、歯肉のマッサージを兼ねた方法もある。この研究はあくまで模型上のことで、人間では同じ結果が出るか分からない旨を考察に盛り込むといい」など、専門的な助言もなされました。
3時間に及ぶ研究指導の最後は、ブラッシング方法の伝授。土居先生は「自分の子どもにも教えたことがない」と話しながら、研究の鍵となるブラッシング6種類(バス法、スクラビング法、縦磨き法、ローリング法、フォーンズ法、スティルマン改良法)の正しい方法を実演を交え伝えました。

辞去する際、生駒さんが御礼とともに「本当に本当に勉強になりました。結構ご迷惑をおかけした…」と言うと、「全然そんなことない、全然迷惑じゃない」と土居先生。「楽しい時間やった。分からないことがあれば何でもメールで聞いて」とこの後も協力を約束しました。
今回の研究指導について、三宅教授は「中学生が歯科に興味を持ってくれたことを大変嬉しく思う。非常に知的好奇心旺盛で、しかも楽しく研究を進めている姿を見てさらに嬉しくなった。今後歯学部に進んでもらえれば一番いいけれど、そうでなくても、母親になったとき、そして違う職種に就いた場合でも、今回の研究したことが将来役立つと思う。そうあってほしい」と話していました。
生駒さんは来年2月、研究発表を行う予定です。

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