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大阪歯科大学

2020年10月30日に本学では初の試みとなるオンラインによる高大連携プログラムを実施いたしました。新型コロナウィルス感染症拡大防止対策として、オンラインでの実施を余儀なくされたものの、協定校である香里ヌヴェール学院高等学校と共同でWEBを活用した双方向型の体験・体感プログラムを企画しました。

●探求学習でコラボレーション

香里ヌヴェール学院高等学校は、PBL(Project Based Learning)を取り入れた探求学習を推進されています。体験プログラムを担当した歯学部細菌学講座も、日ごろからPBLを取り入れた授業を実施しており、両者のコラボレーションによるアクティブ・ラーニング型の授業が実現しました。
当日は、歯学部細菌学講座沖永主任教授と南部講師によるWEB体験プログラムに、香里ヌヴェール学院高等学校グローバルサイエンスコース1年生が参加してくれました。

●微生物って何するの? ~ヒトと共存する微生物~

はじめに、細菌学講座沖永主任教授によるWEB講義を体験します。
「ヒトの体には数十兆から数百兆個以上の細菌が棲(す)んでいます」
培養された菌の画像などを使って、ヒトの体の様々な場所に棲(す)む微生物について紹介されました。
衝撃の事実に、興味津々の生徒たちの表情がインターネットの画面越しからも伝わってきました。

●大学の先生に質問をしてみよう ~質問づくり体験~

受講した講義の学びをさらに深めるため、「質問づくり(QFT:The Question Formulation Technique)*」体験をします。
4人1組のグループに分かれて、テーマを選び、グループで質問をつくります。今回は次のテーマから一つ選んで質問づくりに取り組みました。

  • (1)ヒトの身体には多くの細菌が棲んでいる
  • (2)ヒトの健康には役立つ微生物がいる
  • (3)口の中には全身の病気に関係する細菌が棲んでいる

●作った質問に大学の先生がその場で応えます!

「役に立たない微生物との違いは?」「細菌はどのようにして全身に広まりますか?」「微生物は特定の場所でしか生きられないのか?」などたくさんの質問が作られました。グループで作った質問を発表した後は、沖永主任教授と南部講師が応えます。
本学の教員もうなるほどの、高度な質問がたくさん出ました。「これは世界中の研究者がテーマにしているような質問だよ!」「解明できたらノーベル賞が取れるほど、世界中の研究者も注目するテーマですよ」など回答タイムも盛り上がりました。

●探求学習は大学の授業、研究につながっていく

最後に沖永主任教授より、探求学習は、日々の研究や大学の授業でも取り入れている手法であることが紹介されました。大学生の発表プロダクトや研究室の様子が写真で紹介されました。

<授業を体験したグローバルサイエンスコースの生徒さんたちからの感想>

オンラインでの体験授業は初の試みでしたが、香里ヌヴェール学院の生徒の皆さんの協力もあって、有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

*質問づくり(QFT:The Question Formulation Technique)
アメリカ正問研究所Right Question Instituteの共同設立者ダン・ロススタイン氏とルース・サンタナ氏により開発された教育手法。日本では2015年に出版された両氏による本「たった一つを変えるだけ~クラスも教師も自立する質問づくり~」(吉田新一郎氏・翻訳、新評論社,2015)で紹介された。問いを作ることで、学ぶ者の意欲や知的好奇心の向上、思考の深まり、学ぶ楽しさへの気づきなどの効果が期待できる。

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