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大阪歯科大学

令和2年度日本歯科医師会スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム(SCRP)日本代表選抜大会において、本学歯学部4年の鈴田真裕(まゆ)さんが基礎部門第2位に入賞し、12月7日、表彰楯授与式を楠葉キャンパスで行いました。
SCRPは、国際歯科研究学会米国部会・歯科医師会等が主催する、歯科学生によるグローバルな研究発表大会。日本大会は1995年度から始まり、全国の歯科大学・歯学部の学生が研究成果やプレゼンテーション能力を競います。
新型コロナウイルス感染症の影響で初のWeb開催となった今大会には、18校が参加。事前抄録・発表ビデオ・発表スライドによる一次審査、英語でのオンライン発表による二次審査を経て、10月5日に最終結果が発表され、本学としては4年ぶり5回目の上位入賞となりました(優勝:北海道大6年生、準優勝:九州大5年生)。

鈴田さんの受賞研究テーマは「力学的閾値同定を主軸とした破骨細胞分化(促進/抑制)制御法の確立」。薬理学講座の納富拓也講師の指導の下、3年次の「研究チャレンジ」から少しずつ実験を行い、本学の学生研究助成金を受け研究を進めてきました。SCRP出場が決まった6月から本格的に実験に着手し、試験の合間や土日など限られた時間の中で研究をまとめあげました。そして、矛盾した結果が報告されていた破骨細胞分化と力学的刺激の関係について、「力学的閾値」を同定することで、その閾値を境にして正反対の分化反応(破骨細胞分化促進もしくは抑制)が生じることを明らかにして、その分化を制御することに成功しました。加えて、脳内記憶機構と類似して、破骨細胞が力学的刺激を記憶する機構「力学的刺激記憶機構」を有することを提唱しています。

授与式では、川添堯彬理事長・学長が鈴田さんに表彰楯を贈呈し、日本歯科医師会長のお祝いビデオメッセージが流されました。川添理事長・学長は鈴田さんの健闘を讃えたうえで「今回の栄誉をバネに、これからもコツコツと学業に励み、卒業、国試合格、そして社会へと羽ばたいていってほしい」とエールを送りました。

「研究チャレンジ」を通じて研究の楽しさ・面白さに開眼した鈴田さん。今回の結果については「上位入賞できるとは思っていなかったのでビックリした」そうです。英語での発表が大変だったけれど、SCRPに向けての研究中は時間が濃く充実していて、大学生活の一番の思い出になったと振り返りました。
鈴田さんが「感謝しかない」という指導教員の納富先生は「よく頑張りました。いい結果になって、私も含めみんなとても喜んでいるヨ」と鈴田さんを優しく労っていました。

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