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大阪歯科大学

本学医療保健学部の濱島淑惠教授が6月4日、日本記者クラブの記者会見に登壇しました。感染症対策のため会場に記者席は設けられず、濱島先生は元ヤングケアラー3人と共に本学牧野キャンパスからリモートで参加。会見の模様はZoomでライブ配信されました。

画像:公益社団法人 日本記者クラブ

テーマは「ヤングケアラー その実態と課題」。会見では、研究者の濱島先生が最初に20分間ほどヤングケアラーの定義(家族のケアを担う子ども・若者)、実態や問題について、パワーポイントを用いて説明。その後、記者からの質問に答えました。

この5月に国が公表した支援策をどう評価するか。これについて、濱島先生はその意義を認めたうえで、「ヤングケアラー支援が制度的な裏付けをもってできる状態になっていない。制度化・法制化されていない点が残念」と述べ、「支援が安定的・継続的に行われるためには、きちんと制度の中に位置付けて行っていくことが必要」と指摘しました。また「支援の担当部署、窓口を必ず置くということをもっと強い口調で求めてよかったのではないか。責任主体を明確にするべき」との認識を示しました。
さらに、この問題は「子どもの支援対策としてだけ行うのではなく、ヤングケアラーの背後にある、大人たちが抱えている問題にまでメスを入れていく必要がある。そこの対策がなかなか見えないのが残念。これからぜひ改善していってほしい」と語りました。

ヤングケアラーの年齢の問題をどう考えるか。最後の問いに、濱島先生はこう答えました。「18歳未満に区切るというのは絶対にありえない話。20代であっても、このタイミングにこれが起こると一気に人生が変わってしまうということがある。20代以降であれば大丈夫だろうというのは絶対ないわけで、18歳以上の者たちにもやはり影響は出てくる。政府は若者ケアラーの支援というのも考えていく必要があるだろうと思っています」

この会見はYouTubeでご覧になれます。
「ヤングケアラー その実態と課題」濱島淑惠・大阪歯科大学教授

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