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大阪歯科大学

EPISODE003

歯科医になった今だからこそわかる臨床実習の重要性

2017.11.9 大阪歯科大学附属病院 / 病院医員
中西 優佳

PAST

1これまで

勉強や研究、習い事…大学でやりたいことはすべて実現できた

初めて歯科医になりたいと思ったのは幼稚園のときだったという中西優佳先生。「実家が歯科診療所なので、幼いときから『歯医者さん』が身近な存在でした。悩んでいた患者さんがよくなっていく様子を間近で見ていくなかで、自分も医療人になりたいと思うようになったんです」。

大阪歯科大学への入学の決め手となったのは、オープンキャンパスだったのだそう。「在学生と話をして、大学生活を心から楽しんでいると感じたんです。勉強はもちろん一生懸命しているのですが、部活やサークル、習い事などにも取り組んでいました。自分の時間を大切にできる学校だと思ったのが、入学を決めた理由ですね。その期待通り、中学生のときに始めた茶道を大学でも続けることができました」。

ただし、歯科の勉強は想像以上に大変だったといいます。「大学受験の何倍も勉強しました。歯科大学の学生は、私も含めて卒業後の進路はほぼ全員が歯科医。絶対にその夢を叶えたいという思いがあったので、妥協はできませんでした。でも、一人で黙々と勉強していたら挫折していたかもしれません。同じ目標をもつ先輩や友達がいたからこそ、目標を実現するまで頑張ることができました。大阪歯科大学は小規模なので、1学年の人数は100人程度。大学としては珍しく全員同じ講義を受けるということもあり、6年間通っているうちにみんなが顔見知りになっていくんです。そのなかで、支え合うことのできるかけがえのない友達もできました」。

また、研究に没頭する大学院生の姿に憧れて、グループで研究・発表を行うSCRP(スチューデント・クリニシャン・リサーチ・プログラム)日本代表選抜大会に共同研究者として出場を果たし、臨床部門2位という好成績を収めたのだそう。(研究テーマ「睡眠中のアロマテラピーはSIgAの分泌促進と唾液中細菌数の減少を促進する」)「大学の先生方にサポートしていただきました。大変なこともありましたが、チームワークを学べたのはよかったと思います。研究に勉強、習い事と、やりたいことはすべて実現できた学生生活でした」。

PRESENT

2

歯科医になったからこそ実感する、臨床実習の重要性

歯科医として大学病院に勤務するようになった現在も、初めて患者さまの前に立った臨床実習のことは忘れられないといいます。「ファントム(医療用の人体模型)で何度も練習していた治療でも、実際の患者さまに対して行うときはものすごく緊張しました。臨床実習の重要性は、歯科医になった今だからこそよくわかります。仕事をしているとほかの先生の治療を見る機会はなかなかないので、『あのときはこうしていたな』と実習中のことを思い返しながら施術することがよくあるんです。大阪歯科大学は附属病院があるので、学生の間に臨床の現場をしっかり体験することができて幸いでした」。

臨床実習中は色々な科の先生について学びながら、自分が専門としたい分野を選びます。「悩んだのですが、私は補綴咬合(ほてつこうごう)治療科を選びました。歯の機能を修復するために被せ物や入れ歯で補ったり、噛み合わせの治療を行ったりする科です。もともと食に興味があったので、噛めるようになったときの患者さまの喜びを肌で感じたいと思いました。治療を終え、痛みから解放された患者さまの嬉しそうな顔を見たときは、この分野を選んでよかったと実感します」。

臨床実習のほかに、海外研修を経験したことも今につながっていると語ります。「3年生の時、シドニー大学への海外研修に参加しました。面倒を見てくれた現地の学生とは今でも交流が続いていて、仕事の悩みや近況について話し合っています。海外の歯科医と知り合えるチャンスはなかなかないので、学生のうちに築いたつながりが大きな財産になっていると思います」。

FUTURE

3これから

「先生でよかった」と言われる歯科医師になりたい

まだまだ自分の未熟さを感じることが多いという中西先生。これからはどのようなことに力を入れていくつもりでしょうか。「患者さまと接するなかでわかってきたのは、同じ状況はひとつとしてないということ。そのため、治療技術を磨くのはもちろんですが、患者さまとのコミュニケーションの取り方もさらに学ぶ必要があると感じています。大学病院の強みは、同じ建物のなかに先輩や同期の先生がたくさんいること。治療・診療について小まめに話をすることが、私にとっていい刺激になっています」。

いつかは自分の診療所をもつのが夢なのだそう。そのためにも、大学病院だけでなく一般の診療所にも勤務しながら経験を積んでいるといいます。「大学病院は複数の科に分かれているので、ひとりの患者さまを複数の医師が担当することも少なくありません。それに対して、基本的に治療の最初から最後までひとりで行うのが診療所のドクター。それぞれに良さがあるので、両方に勤めているとすごく成長できる気がするんです」。

最後に、歯科医としてやりがいを感じることを教えてもらいました。「歯科医の仕事は口の中だけだと思われがちですが、歯は『食べる』という人生に不可欠な行為を支えているものですよね。歯の治療を通して健康をサポートできるという点が、私にとって一番のやりがいです。歯科医業は、生涯を通して続けたい大切な仕事。より多くの患者さまに『治療してくれたのが先生でよかった』と言っていただけるようになりたいと思っています。これからたくさんの人に出会えることが、今から楽しみなんです」。

PROFILE

2017.11.9 大阪歯科大学附属病院 / 病院医員
中西 優佳