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大阪歯科大学

EPISODE007

自分の考えを曲げることが苦手だった。そんな自分を変えた海外の人たち

歯学部 / 3年 (2017年12月現在)
若田 陽
留学先:シドニー大学

PAST

1これまで

自分を変えた初めての海外研修

明るく気さくな雰囲気で、体を動かすことが好きという若田さん。お父様が歯科医師であることから、自身も自然と歯科医療人の道を目指していました。現在3年生になり、歯は体のさまざまな器官と繋がっていることが分かってきたといいます。「食べる、噛むということが、歯と全く関係ないと思われている箇所にも影響しています。一つのことがいろいろなところに伸びていって、幅広くなり、今は全体を知らないと結びつかないことが多いです」。好きな科目は細菌学や生化学で、奥が深く考えさせられるところに興味を引かれています。大学ではオーケストラ部に入り、アルトサックスを担当。平日は塾講師のアルバイトを、2年ほど続けています。大学受験を目指す高校生の英語や数学、理科を教えており、充実した毎日を送っています。

多忙な中でも明るい笑顔を絶やさない若田さんは、一見そうとは見えない頑固なところがあり、自分の意見をなかなか曲げられないこともあったといいます。また、海外の方と接することも苦手だったそうです。それを変えたのが、3年生の夏に参加した、オーストラリアにあるシドニー大学での海外研修でした。

PRESENT

2

どんな場所、どんな人でも受け入れる柔軟さを知った

初めて参加した海外研修。先進国であり、日本と似ていると言われる国の歯科医療について知りたかったといいます。訪れた先で待っていたのは、日本にいた時には思いもよらなかった光景でした。「まず、日本では6年間の座学や実習を経て国家試験を受け、歯科医師の資格を取ることができます。シドニー大学は3年という短いスパンでそれができるんです。とても驚きました」また、「向こうでは『アマルガム』という水銀を使った治療を当たり前に行っていました。日本では危険だという考えからあまり使われていません」。他にも、日本の歯科医は着用しているのが当然の帽子を着けなかったり、宗教上の理由から、イスラム教の女性患者は女性の医師しか診療できなかったり。「すごい、考えられない、の連続でした。国が違えば、環境が異なれば、立場が変われば、こんなにも歯科治療が違うんだと実感しました」。さらに、研修中に一番大変だったことは、『コミュニケーション』でした。授業はもちろん全て英語で行われ、理解するのに難しい内容もありました。さらに現地の人と会話をしている時は、「自分の伝えたかった内容が本当に伝わっているのか不安で仕方ありませんでした。言葉だけではなく、身振り手振りでなんとか伝わりました」。

シドニー大学歯学部では、2年生から学生のみで患者の治療に当たります。その様子を見学した際、ドクターに「今、彼らはとてもピリピリしているから近寄らないで」と言われ、「ものすごく怖かった。失敗したらどうするんだろうと思った」といいます。それでも、ほとんどの時間、現地の学生たちはとても陽気でした。友達同士で遊びに行ったり、パーティに誘ってくれたり。なかでも、診療を見学している時に5人ほどの学生が集まってきて、たくさん話しかけてくれたことがとても心に残っているそうです。理解しやすい単語で、聞き取りやすい速さで、気さくに話してくれて、コミュニケーションをとることができました。「彼らのほうが学ぶ年数が短い分、密度も濃いのに、そういう明るいところが、羨ましく感じました」。シドニー大学で過ごすうち、若田さんは日本と海外での歯科医療の違いについて、「大切なことは柔軟性だ」と気が付いたといいます。「日本にいる自分は、日本人に合った診療方法や考えを持つべきだし、海外に行ったら、現地の人に合わせた考え方が必要」。初めての海外研修で学んだことは、「コミュニケーションの大切さと、その場所での生き方、人との接し方」でした。そしてその気づきは、現在の自身の生き方の指針になっています。「コミュニケーションをとる時、この人にはこういう話し方がいい、ちょっと明るい話し方のほうが伝わりやすい、安心できるだろう…と考えるようになったし、海外の方と接する時にも、今回の経験は大いに役立つと思います。今までは日本語を話せない方に対して臆病だったのが、今はフラットな状態、どんな人でも大丈夫だという、自信につながりました」と話す若田さん。「頑固な自分が、どうしようもない境地に立たされて、ぐにゃぐにゃに曲げられて、それがうまくいって、どちらにも振れる柔軟性を持てる人になったと思います」。

FUTURE

3これから

一人ひとりを笑顔にする歯科医師になりたい

若田さんは5年生になったら、アメリカのコロンビア大学やイギリスのキングスカレッジロンドンでの海外研修に参加したいと考えています。そこでは、矯正やインプラント、再生医療について、日本の歯科医療との違いを見ておきたいといいます。「再生医療は細菌学や生化学に関連しているし、矯正やインプラントは、先輩方から難しいと聞いています。それを向こうの方々がどのように学んでいるのか知っておきたいです」。卒業後は大学院で細菌について研究したいという意欲もあり、将来は「患者さまそれぞれの考えを尊重し、一人ひとりに合った対応をしていく。そして一人ひとりの患者さまが笑顔になれるよう、自分がいつも笑顔でいる歯科医師になる」ことが夢です。めまぐるしく変わる世界に柔軟に対応し、あらゆる違いを認めて尊重し、目指す歯科医療人に向かって、これからも進んでいきます。

PROFILE

歯学部 / 3年 (2017年12月現在)
若田 陽