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大阪歯科大学

本学医療イノベーション研究推進機構(TRIMI=トリミ)事業化研究推進センター主催による「医療機器開発講習会」が10月4日、日本歯科材料工業協同組合との共催で、創立100周年記念館で開かれました(Web同時開催)。
これは、<学内外シーズの事業化・製品化に向けて開発支援を行う>というミッションを帯びた事業化研究推進センターが、その使命に即して、歯科医療機器・医療材料の開発を円滑にし、かつ促進するため、主に医療機器を扱う企業を対象に企画。第3回となる今回は、会場に企業の薬事部門担当者等41人が来場、ライブ配信で110人が参加しました。

講習会は、TRIMI馬場機構長による開会の挨拶に始まり、次の2部構成で実施されました。
第1部:超高齢社会に対応した歯科口腔医療実現のための医療機器創出・企業育成にかかる産業振興拠点の構築
第2部:医療機器開発講習会

第1部では、初めに馬場機構長よりAMED(日本医療研究開発機構)の「優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業」に採択された標題事業についての説明がありました。採択された事業は、病院とTRIMIが連携し、企業に向けて現場のニーズの共有や開発のための研修プログラムを整備するもので、更にプログラムに参加した方同士のネットワーク構築の促進や開発支援など、今後の構想についても語っていました。

続いて、TRIMI事業化研究推進センター開発支援部門の谷城教授が、臨床研修プログラムを経て企業開発された歯科医療機器、技術のWeb戦略を狙うTRIMIによる医療機器の開発支援、統括指導、企業支援のこれからについて講演しました。谷城教授は初めに「超高齢社会をマイナスに捉えるのではなく、プラスに捉えて、日本の高齢社会にあった歯科材料、歯科医療機器を創出して、海外に展開していくくらいの力が歯科の業界にはあると思っています」と力強く語ります。また企業の方が講習会や公開講座等に参加され、知識を得て視野を広げることで、医療機器の開発につながるのではないかと意見を述べ、第1部は終了。

⼀旦休憩を挟み再開した第2部では厚⽣労働省・保健局(伊東孝 課長補佐)による、行政視点からの歯科用医療機器・材料の開発と保険適用について講演があり、続けて(独)医薬品医療機器総合機構・医療機器審査第二部(佐藤右智 審査役補佐、吉川豪 審査専門員)から歯科医療⽤機器開発にかかる最新の動向や相談・承認審査のポイントや、テュフーズドジャパン(株)・MHS事業部/薬事認証部(横山有希 部長)から認証評価のポイントについて解説がありました。最後にTRIMIの谷城教授から歯科材料組合と協力して進めている「認証審査の考え方WG(2024)」の活動報告があり、認証審査に関する今後の課題について企業へのアンケートなどの協⼒を求め、第2部を締めくくりました。
講演後の質疑応答では、主に申請時のポイントや記載事項、提出書類に関する質問などがあり、関係する講演者が登壇しながら質問に答えていました。

最後に日本歯科材料工業協同組合の根來理事長から講演者一人ひとりに感謝状が手渡され、その後に閉会の挨拶として、講演者や会場・Webの受講者への謝辞を述べつつ、「大阪歯科大学の歯科用医療機器開発への熱い思いと歯科業界への大きな期待を感じた」「(本日ご参加した皆様に)講習会での新たな情報をこれからの業務にお役立ていただき、歯科用医療機器の創出、そして歯科医療の更なる向上にご尽力いただきたいと思います」と感想が述べられました。

終了後の参加者アンケートには「TRIMIさんの活動のように、各企業が自力で薬事・保険戦略に対応できるよう、国としても育成の機を増やすことは大切ではないかと感じました」、「医療機器の開発において薬事は欠かせない部分であり、申請に当たって、どのような資料が必要で PMDA の審査役は何を重点的に見ているか、大変参考になりました」とあり、TRIMIや講習会の内容が非常に好評だった様子がうかがえました。

今後も医療イノベーション研究推進機構事業化研究推進センターのますますの活躍が期待されます。

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