CLOSE

大阪歯科大学

11月14日から16日に福岡県で開催された、第70回日本口腔外科学会総会・学術大会において、本学歯学研究科・口腔外科学専攻3年の野元大輔さんが口演発表賞を受賞しました。
この賞は、臨床的研究と基礎的研究の2部門にエントリーされた演題の中から、学術奨励賞等選考委員会の審査を経て授与されるもので、野元さんの発表演題は「CTにおけるエナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞の高精度機械学習診断支援モデルの開発」。

エナメル上皮腫と歯原性角化嚢胞は、画像の特徴が似ており、治療前に区別することが困難な病変です。正確な区別は、適切な治療の選択や再発予防に直結するため、診断の精度向上が重要です。
野元さんはこの研究の中で、本学附属病院で長年蓄積された症例から得た年齢・性別などの臨床情報2項目と、CT画像所見情報15項目をまとめ、2つの機械学習モデルを用いて診断性能を検証しました。その結果、いずれの学習モデルも歯科放射線専門医より高い診断精度を示し、術前の鑑別診断を支援する仕組みとして有用であることが示されました。

有地教授と

今回の受賞に際し、野元さんは共同演者である本学歯学部歯科放射線学講座の有地淑子主任教授、福田元気助教、口腔外科学第一講座の窪寛仁主任教授、辻要講師、中西環助教に感謝の言葉を述べたうえで、さらなる研究の発展に向けて強い意欲を語ってくれました。
「今後は、より多くの医療機関や異なる装置で得た画像を用いて性能を確かめることに加えて、エナメル上皮腫や歯原性角化嚢胞以外の歯原性病変を対象に加えることで、複数の病変を見分けられる診断支援の仕組みを整える予定です。多様な病変を対象とすることで、診断のばらつきを抑え、実際の診療で使いやすい形へ発展させることを目指します。
今回の受賞を励みに、診断支援の質をさらに高め、研究成果を日常診療へ応用し、患者様により良い治療を届けられるよう取り組んでまいります。」

関連記事